◇国内女子最終戦◇JLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ 最終日(30日)◇宮崎CC◇6543yd(パー72)…

◇国内女子最終戦◇JLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ 最終日(30日)◇宮崎CC◇6543yd(パー72)◇晴れ(観衆4453人)
シーズン最終戦の国内メジャーでツアー通算22勝を手にしたというのに、鈴木愛の口からあまり景気のいい言葉は出てこなかった。米ツアー参戦1年目で優勝を飾るなど成長著しい23歳の岩井千怜を、31歳にしてプレーオフで退けた。まだまだやれるとの思いを強めたと思いきや「…それはあまりないですねえ」と苦笑いを浮かべた。
鈴木には持論がある。というか、持論を作った。「いくらいい選手でも年齢を重ねるほど優勝が難しくなるのが現実と思う。力をキープしていても“怖さ”を覚えていく。実力以上に変なモノが頭をよぎる。若い時は勢いでいけていたのに、今は勢いもなくなって…。それを年々感じています」としみじみ語り“35歳限界説”を持ち出した。
「もう1回、年間女王のタイトルも取りたいけど、一番大きな目標は(通算30勝の)永久シード。期限は自分の中で決めています。35歳がリミット。そこを超えると多分、1勝するのが難しくなってくると思います」

鈴木は2人の先輩プロの名前を挙げた。自分より9歳上の藤田さいきと、8歳上の上田桃子。通算6勝の藤田は来季のシードを決めているものの、25歳までに5勝して6勝目は36歳で迎えた2022年「大王製紙エリエール女子オープン」。上田は35歳だった2022年「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」で通算16勝目を挙げた後、優勝のないまま38歳だった昨季限りで第一線を退いた。

35歳という年齢を考え始めたのは、30歳になった昨年5月以降らしい。直前の3月「明治安田レディス」「Vポイント×ENEOS」で2週連続優勝したが、30代初Vの今年8月「ニトリレディス」まで約1年5カ月も時間がかかった。「急に(勝つのが)難しくなる感じもする。若い選手は(自分より)飛ぶとか、いろいろなことを考えます。自分の技術を最大限に生かせるのが35歳ぐらいまでかなって」

先輩プロの足跡と自分の経験を重ねて、今の鈴木に見えているシナリオがある。「1年で2勝ずつと考えたら、35歳(になるシーズンまで)で残り8勝がギリギリ。だから(シーズン2勝になった)今回の優勝は大きいです」。来季から35歳になる2029年までの残り4年で、毎年2勝。鈴木は自分にノルマを課していく。(宮崎市/加藤裕一)