高校野球界では2025年もたくさんのヒーローが誕生した。秋からの新チームにも、2026年度に輝きを増しそうな選手はたくさ…

高校野球界では2025年もたくさんのヒーローが誕生した。秋からの新チームにも、2026年度に輝きを増しそうな選手はたくさんいる。そのなかで未来のヒーロー発掘も含め、好プレーヤーを紹介していきたい。

　明治神宮大会で準優勝した神戸国際大付（兵庫）は1大会5発と、長打力を誇った。そのなかでもっとも「印象的」だったのは、5番打者・石原 悠資郎外野手（2年）の一振りだった。

　初戦の中京大中京（愛知）戦の2回表、先頭打者として打席に入った石原は、外角高めの球に反応しスイングすると、打球は右中間の最深部のスタンドに吸い込まれた。本人もややビックリの当たりは、高校生の打球とは思えないパワーを感じさせた。球に逆らわない打撃ながら、軽々とスタンドまで持って行ったところが最も「印象」に残ったのだ。

　ややオープンスタンスの構えから、左足をやや内側にひねりながら上げてタイミングを計る。178センチで、体重は110キロを超える大きな体を少々縮めてテークバックをとり、バネがはねるようにスイングする。ためた力を球にぶつけるように打撃する姿は、「ぽっちゃり」体型の長距離砲としてプロで活躍する選手らによくある特徴だ。近畿大会では2安打しか打てなかったが、いずれも長打だった。

　「石原悠資郎（いしはら・ゆうじろう）」の名前は祖父からつけてもらったという。昭和の名スター、故・石原裕次郎さんのように、文字通りにセンバツの舞台で「嵐を呼ぶスラッガー」として暴れることができるか。