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 レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)が、自身のポッドキャスト「Mind the Game」でニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)を「キャリアで対戦してきた中で最も支配的で、最も完成された選手」と絶賛した。

 マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)とキャリアを比較され、“GOAT論争”の対象になっているレブロン。だが、近い将来にこの終わりのない議論にもう1名の選手が追加されるかもしれない。

 番組の共同ホストを務めるスティーブ・ナッシュ(元フェニックス・サンズほか)は最新のエピソードにおいて、ヨキッチがコートビジョンとパス、そして全方位から得点できる能力を備えていることに言及。そして、レブロンに対してヨキッチがこれまで対戦した中で最高のオフェンスプレーヤーかどうかを問うと、キングは少し考え込んだ末にこう言い切っている。

「彼がやっていること、それはディフェンスへのプレッシャー、アシスト、プレイメイキング、オフェンスの起点、スリーポイント、ミドルレンジ、ゴールへのパスなど、本当にたくさんの要素がある。本当にたくさんあるな。ありすぎる。今、君が挙げた要素という意味では、俺が対戦してきた中でこれほど支配的で、これほど完成された選手はいなかった」

 この会話の前、レブロンは親友のジャレッド・ダドリー(現ダラス・マーベリックスのアシスタントコーチ)ともヨキッチについての会話をしたばかりだったそう。今シーズンのヨキッチはこれまでに28.9得点12.4リバウンド10.9アシストの平均トリプルダブルを記録。そして、個人としての正確性も脅威的で、フィールドゴール成功率は63.7パーセント、3ポイント成功率は45.3パーセントという高確率となっている。

 レブロンは、ヨキッチがいかに優れた選手かの弁論について、こう続ける。

「パス、シュート、リバウンド、そしてディフェンスの注意を引きつける力まで、オフェンス面で彼にできないことは何もない。文字通り、本当に何もない。ダブルチームに行っても、1対1で守ろうとしても、必ず代償を払わされる。彼は自分でボールを運んでくることさえある。ポイントガードがリバウンドを取り、このセンターにアウトレットパスを出して速攻を仕掛けさせる。これだけでも、この男がどれほど驚異的な存在かが分かるだろう」

 ヨキッチは、レブロンたちに次ぐNBAの世代交代の波の中心にいる選手だ。2023年のリーグ優勝、3度のシーズンMVPなどキャリアで達成したマイルストーンは輝かしく、このままのペースで進めば、今シーズンはアシスト王とリバウンド王の称号を手にすることになる。また、トリプルダブル達成回数はすでに174回に到達しており、181回の記録を持つ2位のオスカー・ロバートソン(元ミルウォーキー・バックスほか)は射程圏内に。30歳という年齢で現在が全盛期にあることから、ラッセル・ウェストブルック(サクラメント・キングス)が所有する206回のNBA記録更新も現実的な目標となっている。

 レブロン自身も身をもってヨキッチの恐ろしさを体験してきた。2022-23シーズン、2023-24シーズンは連続で、ヨキッチを擁するナゲッツにプレーオフで退けられてきた。

 現在、ナゲッツはカンファレンス4位につけており、ヨキッチはMVPランキングで堂々の1位に君臨している。

 ドラフト2巡目指名でありながらも、史上最も稀有なスキルセットでゲームそのものを書き換えつつあるヨキッチ。レブロンの口から溢れる言葉の重みが、現在のNBAにおけるヨキッチの立ち位置を雄弁に物語っている。

※スタッツは日本時間12月1日現在

文=Meiji

【動画】レブロンが語る前代未聞のヨキッチの恐ろしさ