次々にビッグレースを制しているR.ムーア騎手だが、JRAでのダートGI初勝利は17年のチャンピオンズCだった。初騎乗…

 次々にビッグレースを制しているR.ムーア騎手だが、JRAでのダートGI初勝利は17年のチャンピオンズCだった。初騎乗のゴールドドリームを手中に収め、鮮やかな差し切りを決めた一戦を振り返る。

 この年のチャンピオンズCは大混戦だった。1番人気はみやこSで重賞初制覇を果たしたテイエムジンソク。古川吉洋騎手が20年ぶりのGI制覇なるかに注目が集まっていた。2番人気はJBCクラシック覇者のサウンドトゥルー。以下はケイティブレイブ、アウォーディー、カフジテイクまでが単勝オッズ10倍以内だった。

 レースは前半1000mが61秒6のゆったりとした流れになった。逃げるコパノリッキー、さらに番手のテイエムジンソクや好位のケイティブレイブにとっては理想的なペースだ。となれば、当然ながら前は止まらない。直線に向いて逃げるコパノリッキーにテイエムジンソクが接近。一騎打ちになるか!? そう思われた瞬間、一気に飛んできたのがムーア騎手のゴールドドリームだった。鞍上の激しいアクションに応えて脚を伸ばすと、ゴール前でテイエムジンソクをクビ差捕らえてゴール。2月のフェブラリーSを制して以降、悔しいレースが続いていた実力馬が、名手の手腕で復活のGI・2勝目となったのだった。

 ムーア騎手はこれがJRAのGI・7勝目。しかしながら、ダートに限ると7回目の騎乗で初勝利だった。当然といえば当然だが「ムーア騎手はダートでも凄い」ということを印象付けた一戦として、多くのファンの記憶に残っていることだろう。