毎年、移籍市場で補強の行方が注目されるヤンキース。そんな名門を仕切るスタインブレナーオーナーの意向は球団の行方を左右する…

毎年、移籍市場で補強の行方が注目されるヤンキース。そんな名門を仕切るスタインブレナーオーナーの意向は球団の行方を左右する(C)Getty Images

「我々はこれまで努力してきたし、これからも努力し続ける」

 その名声は海を越え、かなりの水準に達している。今オフに西武からポスティングシステムを利用してのメジャーリーグ移籍を目指している今井達也のそれだ。

【動画】今井は9回も圧巻の3者連続三振締め!球団新の17奪三振を記録した

 現在27歳とFA市場に出ている先発投手たちの中でも若い今井の声価は、天井知らずで高まっている。エースとしての期待を集めた2025年シーズンには、防御率1.92、WHIP0.89、178奪三振(奪三振率9.89)のハイアベレージを記録。球団が「本人の『アメリカで野球をしたい』という一貫した強い意志を受け止め、球団としてその思いを尊重する形を取りました」(広池浩司球団本部長談)と認めざるを得ないほどの“結果”を残した。

 無論、MLBでは「未投球」だ。しかし、すでに複数球団の獲得が囁かれる今井を巡っては、来年1月2日午後5時(現地時間)までの交渉期間内での契約締結が確実視されている。

 高まる期待値は争奪戦を激化させ、ついにはレースからの脱落者も現れている。米スポーツ専門局『ESPN』のバスター・オルニー記者によれば、「移籍先の有力候補」として上がっていたジャイアンツが、ここにきて契約に消極的な姿勢になっているという。

 バスター・ポージー編成本部長がじかに来日し、極秘でスカウティングを敢行するほど本腰を入れていたとされてきたジャイアンツ。しかし、総額1億5000万ドル(約234億円)以上のメガディールが予想されるまでに急騰する獲得情勢に見方を改めたようだ。オルニー記者は「球団幹部が移籍市場で行っている調査の多くは、より手頃な価格の投手に関するものだ。これは、ジャイアンツがイマイのような超高額投手の獲得に動いていないという、強力な兆候だ」と断言している。

 となれば、獲得に至る球団は限られてくるか。目下、有力候補として注目を集めているのは、“米球界の盟主”ヤンキースだ。

 実際、球団首脳陣は日本人選手獲得への「野望」を明らかにしている。地元紙『Daily News』の取材に応じたヤンキースのオーナーを務めるハル・スタインブレナー氏は「ヤンキースに日本人選手がいたらいいなと思うかって? それはもちろんだ」と強調。そして、こうも続けた。

「過去にもそう思ったことはある。ご存じのように、我々はヤマモト(山本由伸)という選手に非常に興味を持っていたんだ。しかし、それは実現しなかった……。ヤンキースに日本人選手がいるのは、確かに重要なことなんだ。それに野球というスポーツは、日本国内で人気のあるスポーツだ。また、アメリカにいる多くの日本人ファンも、(ヤンキースで日本人がプレーするのを)見たいと思っている。だから我々はこれまで努力してきたし、これからも努力し続ける」

MLB複数球団での争奪戦が展開される今井(C)Getty Images

NY紙が見る「イマイ評」は?

 近年、米球界において日本人獲得がもたらす“好影響”は高く評価されている。周知の通り、大谷翔平、山本、佐々木朗希の3選手と契約に至ったドジャースは、日本ひいてはアジア市場を席巻。新規スポンサー獲得などを含めて莫大な利益を得ている。

 グラウンド上での効果はさることながら、収益増加も見込める。そこは「(日本人選手を獲得すれば)マーケティングや広告など、様々なビジネスチャンスが開けるという考えや認識はある」(ブライアン・キャッシュマンGM談)と認めるヤンキースが強烈に意識している要素と言えよう。

 そんな地元球団の狙いを伝えた『Daily News』は、「イマイは明らかに国際市場でトップのFAだ」と指摘。伝統のピンストライプのユニホームに袖を通す可能性を分析している。

「イマイはニューヨークで成功するのにふさわしい姿勢を持っている。速球は90マイル(約144.8キロ)中盤が平均だが、最速は99マイル(約159.3キロ)に達する。スライダー、そしてスプリッターという空振りを誘う武器もある。今オフにヤンキースが日本人選手を獲得するなら、イマイが最有力候補となるだろう」

 果たして、争奪戦はどう動いていくのか――。田中将大以来の日本人選手獲得を模索するヤンキースの補強動静とともに興味深く見守っていきたい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【関連記事】メジャー現地の声は村上、岡本より、今井達也! 米メディアのFA格付けで西武の27歳右腕が軒並み最高評価

【関連記事】米球界で「6年231億円」と評価爆騰の今井達也 エース流出でも西武が動いた理由 ヤ軍も参戦する“リスクの小さい契約事情”

【関連記事】「敵うわけがない」1147億円男ソトに189票差 異次元すぎた大谷翔平のMVP得票に米震撼「なんの驚きもないのが、もはや凄い」