あとわずかでレッドブルの来季陣容が発表となる。その決定公表を前に角田に対する海外の声は様々だ(C)Getty Image…

あとわずかでレッドブルの来季陣容が発表となる。その決定公表を前に角田に対する海外の声は様々だ(C)Getty Images
キャリアに関わる“運命の時”が秒読み段階へと入った。
現地時間11月30日、レッドブルのローラン・メキース代表は、未決定だった2026年のドライバーラインアップを現地時間12月2日に公表すると明言した。これによって今季限りでチームと契約満了となる角田裕毅(レッドブル)のF1での将来にもようやく一つの答えが出る。
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最終決断を下す時期は大幅にずれ込んだ。当初は8月のサマーブレイク期間中にチーム首脳陣が協議し、10月下旬に行われた第20戦のメキシコGP後に明らかにするとされていた。しかし、チーム情勢によって計画は白紙に。急激に調子を上げたマックス・フェルスタッペンがドライバーズランキングでトップのマクラーレン勢に迫り、タイトル争いが過激化し、さらに姉妹チームであるレーシングブルズのラインアップを再考する必要がチームには生じていた。
そうした中で、現地時間11月30日に行われたカタールGP決勝を最後に決断は下される形となった。同GPで4戦ぶりの入賞を果たした角田は、シート争いを続けるアイザック・ハジャー(レーシングブルズ)のパンクによるリタイアがキッカケとはいえ、15番手から怒涛の巻き返しを披露。「シーズン中盤で今のレベルに到達できたドライバーはほとんどいない」(英メディア『The Race』より)と口にするパフォーマンスを見せつけた。
もっとも、本人が「目標」と公言してきたレッドブル残留の可能性には逆風が吹いている。大方の見通しでは、すでに契約更新を済ませているエースのフェルスタッペンの相棒役には、レーシングブルズで飛躍的な進化を遂げた“新人”ハジャーが昇格すると見られている。
となれば、残るシートはレーシングブルズでの2席。だが、ここも1枠はF2に属する超有望株アービッド・リンドブラッドが「F1デビュー」を飾ると見られている。そのため、残り1つのシートを角田、そしてリアム・ローソンが争う形だ。
最終テストなったカタールGPを終えた時点での角田に対する英メディアの見方はシビアだ。専門サイト『F1 Oversteer』は「レッドブルはアービッド・リンドブラッドをレーシングブルズの2番目のシートに昇格させたいと考えている」と分析した上で、「日本人ドライバーの置かれた状況はさらに悪化し、F1からの完全撤退も濃厚だ。ローソンのポジションはすでに確保されているようだ」と論じた。
また、同じく英専門サイト『The Race』もやはりレッドブルのセカンドシートには、「ユウキ・ツノダではなくアイザック・ハジャーが据えられる」と指摘。その上で25歳の日本人ドライバーに残された可能性を説いている。
「ツノダが姉妹チームのレーシングブルズに復帰し、F1に残るかどうかは不明だ。レッドブルは、ツノダ、ローソン、そしてF2で注目されるリンドブラッドの中から誰を選ぶかを長らく検討してきた。ローソンは、わずか2レースを走っただけでレッドブルから交代させられたが、その後に評判を順調に回復している。
ローソンの復活はレッドブル幹部に『残留させる価値』があると確信させた。そういう状況下でツノダが残るのか、それともリンドブラッドがF1デビューを果たすのかは依然として不透明。もはやツノダに残った可能性は、2026年にレーシングブルズでドライバーになるか、両チームの予備ドライバーになるか、あるいは完全に解雇されるか、だ」
すでに決断は下されている。今はただ、その“答え”を興味深く待ちたい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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