オン「2」の優位を生かした先行逃げ切りに成功11月12日、川崎ブレイブサンダースがホームで栃木ブレックスと対戦。前日、試合終了間際に逆転の3ポイントシュートを決められ痛恨の逆転負けを喫した川崎だが、この日は第1クォーターから主導権を握ると、…

オン「2」の優位を生かした先行逃げ切りに成功

11月12日、川崎ブレイブサンダースがホームで栃木ブレックスと対戦。前日、試合終了間際に逆転の3ポイントシュートを決められ痛恨の逆転負けを喫した川崎だが、この日は第1クォーターから主導権を握ると、そのまま最後まで強度の落ちないディフェンスを続け80-71と逃げ切った。昨日の雪辱を果たすとともに、この日23得点を挙げたニック・ファジーカスのBリーグ最速となる通算2000得点を勝利で祝っている。

本日、川崎はコンディションが万全でない篠山竜青のプレータイムを制限する目的もあり、藤井祐眞を先発起用。いつもと違う5人でのスタートとなる。それでも第1クォーターの川崎は、オン・ザ・コートで「2」の優位を生かし、このクォーターだけでファジーカスが8得点、さらに辻直人が7得点を挙げるなど、栃木を圧倒して29-12と大量リードを奪った。

第2クォーターに入ると、今度はオン・ザ・コート数が逆転し優位となる栃木がセドリック・ボーズマンの奮闘などで反撃。それでも川崎は小澤智将、野本建吾などセカンドユニットが守備で踏ん張り、14点リードで試合を折り返す。

前半まさかの無得点だったエースのライアン・ロシターが第3クォーターで10得点と意地を見せ、残り1分には喜多川修平の3ポイントシュートが決まり栃木が5点差まで追い上げるも、ここで篠山が連続得点を決めて流れを断ち切った。第4クォーター、試合の流れを再び自分たちに引き寄せた川崎は、残り5分40秒に辻の3ポイントシュートで13点差と突き放し、あとは余裕の展開で昨日のリベンジに成功した。

敗れた栃木「チャレンジャーなのに構えてしまった」

川崎の北卓也ヘッドコーチは、勝因として気持ちのこもったプレーで球際に強さを発揮したことを挙げる。「昨日の悔しい負けから切り替え、出だしからいいプレーをしてくれたと思います。昨日は最後の3ポイントシュートもありますが、栃木さんにレイアップとセカンドチャンスから、31点も取らせてしまいました。もともと栃木はこの点について強いチームですが、『31点はちょっとどうなの?』というところで、今日はレイアップをさせない、リバウンド、ルーズボールを取るという気持ちが前面に出た試合でした」

抽象的ではあるが、『気持ち』が勝敗を分ける大きな要素となったのは、敗れた栃木の安齋竜三ヘッドコーチのコメントからもうかがい知ることができる。「出だしがすべてでした。昨日も第1クォーターでリードを奪われ、今日も同じ展開。昨日はたまたま勝てた試合だったので、そこの修正をかなり言ってはいましたが、気持ちの面で川崎さんがかなり激しく来たのに対応できなかったです。自分たちはチャレンジャーなのに構えてしまった。今日は気持ちの部分ですべて持って行かれてしまいました」

「今シーズンは球際に強いチームにも負けない」

途中、川崎は5点差にまで詰め寄られたが、それも北にとっては想定内だった。「詰められることはあると思っていました。そこで我慢をして、ディフェンスを一生懸命やってくれたのが勝因です」と、セカンドユニットの守備における奮闘も大きかったと称えている。

「小澤が非常に良かったです。ボーズマンとマッチアップし、非常にアグレッシブなディフェンスをしてくれました。セカンドユニットはディフェンスから入りましょうという話をしている中、小澤がつないでくれました。また、野本も自分より大きい相手に身体を張って守ってくれました。今日の控え選手の活躍には満足しています」

また、リバウンド、ルーズボールといった球際で強さを見せたことについて、篠山も手応えを語る。「リーグ全体で見ても栃木が一番球際に強いんじゃないかと思います。昨シーズンのファイナルは、そういうところで負けました。だからこそ、今シーズンは球際に強いチームにも負けない。今日はそういう意味でも気持ちが入っていました」

そして、先週は休んでいた代表合宿について「試合は問題なくできたので、明日からの代表合宿ではしっかりアピールしたいです」と問題のないことをアピールした。

一方、自分たちの強みを発揮できずに敗れた栃木の安齋ヘッドコーチは「気持ちの部分で今日みたいに負けることは、今シーズン残り試合で一回たりともしたくない。そういう気持ち強いチームを作っていきたい」と立て直しを誓う。果たして、次の試合でメンタル面を修正できるのか、新たな指揮官の手腕に注目だ。