大学日本一を決めるミキプルーンスーパーカレッジバレー2025(全日本インカレ)が12月1日(月)から大田区総合体育館(…

 大学日本一を決めるミキプルーンスーパーカレッジバレー2025(全日本インカレ)が12月1日(月)から大田区総合体育館(東京)で開幕。集大成を前に、下級生時から司令塔としてチームをけん引してきた早稲田大主将の前田凌吾と、明治大主将の近藤蘭丸の対談が実現した。後編は2人の関係をつくった全日本中学生選抜(以下、全中選抜)の秘話、全日本インカレでの意気込みをお届けする。

 

 

今年の秋に対戦し、健闘をたたえ合う前田(左)と近藤。試合は早稲田大に軍配

 

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――初対面のときは覚えていますか?

近藤 初対面はJOC杯(第32回全国都道府県対抗中学バレーボール大会※)?

 

前田 JOC杯だね。あのときの福岡選抜はせこいですよ。だって法政大の川波(颯)とかいたよね?

 

近藤 法政の川波と東海大の葭原(昂大)、(明治大でチームメートの)山田(美雄)とかがいたね。そのときに初めて対戦しました。

 

前田 そこで自分たちが負けて、福岡が優勝しました。

※優勝した福岡選抜の近藤はベストセッター賞を獲得。大阪北選抜として出場した前田は準々決勝で敗退も優秀選手に輝く

――初めて話したのは全中選抜に参加したときですか?

近藤 そうですね。

 

前田 選ばれたときです。

――全中選抜での最初の印象は?

近藤 THE 関西人やなーって(笑)

 

前田 (笑)

 

近藤 関西出身は、(前田)凌吾や順天堂大の酒井(優英)がいたんですけど、凌吾はTHE関西人というタイプでした。話がおもろいのかおもろくないのかわからないですけど(笑) でも、その時点でもう同じポジションとしてすごいなと思っていましたし、もちろん大阪北と対戦したときもうまいなと感じていました。

 

前田 たぶん全中選抜に選ばれたのは九州(出身)の子が多かったはずなんですよ。梅本(春之助〔中央大〕)とか。

 

近藤 あとは入来(晃徳〔慶應義塾大〕)だね。

 

前田 あなたたち、結構仲よかったよね。あと通常なら合宿を重ねるごとに選ばれることが多いですけど、僕らはパッといきなり入って。

 

近藤 僕らは選考会にいっていないので。緊急招集。

 

前田 「はい、選ばれたよ」みたいな感じで。

 

近藤 びっくりでした。「何それ? マジ? そんなの知らないし」って。

 

前田 「え? オーストラリア(2019年の海外遠征地)行くの?」って思ったな(笑)

 

近藤 まずパスポートとらなきゃ、って。

 

前田 そうだったね(笑)

 

 

2019年に海外遠征を行った全中選抜のメンバー。近藤は右から5人目、前田は右から2人目/(公財)日本中学校体育連盟バレーボール競技部提供

 

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――全中選抜での遠征は今でも鮮明に覚えていますか?

前田 あれは楽しかったですね。今でもいちばんの思い出ですね。

 

近藤 楽しかったなぁ。

――楽しかったのは試合や練習ですか? それともプレー以外の時間でしたか?

近藤 いや、全部だな。

 

前田 全部楽しかったです。 何もかも初めてだったので。

 

近藤 日本の合宿で朝の体操に遅刻したのもいい思い出。

 

前田 あった! あった! 

 

近藤 全員寝坊したんですよ。大部屋やったよね、あのとき。

 

前田 全員で大部屋に泊まったのに、携帯電話を触れなくて。

 

近藤 そんな状況で起きられないですよ、誰も。アラームもないし。

 

前田 それで寝たのもどうかしてるよ、俺ら。

 

近藤 案の定、寝坊して。

 

前田 今でも覚えています。コーチの人が起こしに来てね。「何してんだ、時間だぞ」って。

 

近藤 起きられるわけないです。

 

前田 坪谷(悠翔〔中央大〕)が顔を真っ青にして「やべえ」みたいな(笑)

 

近藤 キャプテンだったからね(笑) オーストラリアのときもそうだよ。携帯電話が使えないから「どうやって起きる?」みたいな話になって。なんかの音で起きたよね。

 

前田 あったっけ?

 

近藤 2つの棟に分かれて泊まったとき。

 

前田 あったね(笑)

 

近藤 宿泊施設の何かだった気がする。おもろかったけどひどかったですね、いろいろと(笑)

 

――プライベートでは一緒に遊びますか?

前田 結構ごはんに行ったよね。2人だけではなくて、坪谷とか梅本とかと。

 

近藤 でも、行こうって言うんですけど、なかなか行かないんですよ(笑)

 

前田 全中選抜のメンバーで行きたいなと言っていて、ずっと。

 

近藤 全カレ(全日本インカレ)終わったら行こう。

 

前田 同窓会だね。

 

――同世代には甲斐優斗選手(専修大、大阪ブルテオン)や高橋慶帆選手(法政大)、牧選手という日本代表選手がいますが、この世代を引っ張っていく気持ちは大きくなっていますか?

前田 セッターというポジションはチャンスがあるかなと思いつつ、まだまだだと思っています。早く日本代表に入りたいので、とりあえず目の前の試合を頑張っていきたいです。

 

近藤 僕はあんまり代表のことは考えていないです。考えていないというか、所属するチーム(東京グレートベアーズへの加入が決定)でちゃんと試合に出ることが最優先です。そんな甘い話ではないので、やるからには目指しますが、まずはしっかりチームで活躍しないと評価はしてもらえないですし、今は大学でしっかりやって、そこから SVリーグでやりたいなと思っています。

 

――最後に、全日本インカレでは決勝で対戦する組み合わせとなりました。どんな試合を演じたいですか?

前田 あんなしんどい試合(今年の秋リーグでの明治大戦)はしたくないです(笑) でも、もう一回やってみたい、試合したいという気持ちもあります。秋の明治大戦での、僕らセッターどうしの戦いを見て、感動してくれる人もいたのかなと。そういったおもしろいゲームをして、最後は勝利につなげたいと思います。でもまずは初戦から一戦一戦頑張って、最後は全勝で終われるように挑みたいです。

 

近藤 (前田)凌吾も言ったように、まずは一戦一戦、1回戦からほんとうに気を引き締めてやらないと。足元をすくわれたら敗退してしまうので、決勝で早稲田さんとやるために頑張りたいです。加えて僕らは結局秋に負けて優勝を逃したので、最後は勝って終わらないといけないと思います。僕ら4年生は下級生から試合に出ているメンバーが多いなかで、勝てない悔しさを味わってきました。やっぱりそこの意地はありますし、凌吾に負けたくないので(笑) 決勝で当たれるように。また、そこで勝てるように頑張ります。

 

 

キャプテンとして関東1部の春秋連覇に導いた前田

 

前田凌吾(早稲田4年)

まえだ・りょうご/身長178㎝/最高到達点325㎝/清風高(大阪)出身/セッター

 

多彩なトスワークで武器であるコンビバレーを組み立てる近藤

 

近藤蘭丸(明治大4年)

こんどう・らんまる/身長178㎝/最高到達点311㎝/東福岡高(福岡)出身/セッター/東京グレートベアーズ新加入

取材/廣田充則(編集部)、写真/山岡邦彦(NBP)、編集部

 

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