<猛虎リポート>日刊スポーツの阪神担当が、チームや選手に独自の目線で迫る「猛虎リポート」。今回は育成嶋村麟士朗捕手(22…

<猛虎リポート>

日刊スポーツの阪神担当が、チームや選手に独自の目線で迫る「猛虎リポート」。今回は育成嶋村麟士朗捕手(22)の現役メジャーリーガーとの関わりに迫った。支配下昇格を目指し、2年目の来年は2月の春季キャンプで主力中心の宜野座組入りが内定。四国IL高知時代に参加した、当時DeNAのカブス今永昇太投手(32)らの自主トレで授かった、1年間戦って身に染みた金言と決意を明かした。【取材・構成=塚本光】

   ◇   ◇   ◇

嶋村には忘れられない経験がある。四国IL高知1年目のシーズンを終えた後の23年1月。同球団のトレーナーとの関わりで、当時DeNAのカブス今永、巨人井上、当時中日投手の同岡野スカウトらの自主トレに参加した。「NPBの選手はこれだけ練習量やるんだなと。そこから練習は多めにした」NPBドラフト指名を目指して鍛錬を積んでいた嶋村。トップレベルのプレーヤーとの練習で意識が大きく変わった。

ブルペン捕手としてボールを受けたり、ともにトレーニングをしたり…。「投げミスがないのがすごい」と振り返った。学んだのは技術面だけではない。「人柄とかもすごくいい人だった。変にオーラが醸し出されていなくてフレンドリーな方。上に行く選手はああいう人なんだなと。人間性も見習いたいなと思った」。活躍するために必要な人格もだ。

今季開幕前のオフ、自主トレ中の今永のもとにあいさつへ訪れた。「『焦りすぎないように』と言われた。焦りすぎてケガした人を何人も見たらしい。今永さんの言葉を忘れずにやりたい」。金言を胸に支配下昇格への戦いを始めた。

しかし、待ち受けていたのは春季キャンプでの故障離脱。「試合に出ないとわからないことだらけ。ケガしている期間は『何しているんだろう』と苦しかった。出られないのがしんどかった」とより身に染みた。出遅れた今季は支配下登録ならずも体の動き等を見つめ直し、ファーム公式戦58試合で打率2割6分6厘、1本塁打、22打点だった。

11月の地元・高知での秋季キャンプは「春はすぐケガしてしまったので初キャンプぐらいの感覚。できることも増えていっているしいい期間」と充実。来年2月の春季キャンプでの宜野座組入りが内定など藤川監督からも期待を寄せられた。「支配下になって、日本を代表するキャッチャーになれたら、メジャーにも挑戦してみたい」。1年間の戦いで重要性をより感じたメジャーリーガーの言葉を胸に支配下を目指し、そして恩返しとなる共闘というさらに大きな夢も抱いて戦う。

○…阪神嶋村はこの日、強化指定練習の最終日を迎え「シーズン中は試合のことで頭いっぱいでしたけど、こうやって自分の時間が多くとれる期間というのはすごい大事だと思う」と振り返った。1月は古巣の四国IL高知の同僚たちと、地元高知で自主トレを行う予定。「守れないとダメだし。打つ方も結構、課題が出たので」と攻守でレベルアップする。