◇国内女子最終戦◇JLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ 最終日(30日)◇宮崎CC◇6543yd(パー72…

鈴木愛にプレーオフで惜敗した岩井千怜

◇国内女子最終戦◇JLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ 最終日(30日)◇宮崎CC◇6543yd(パー72)◇晴れ(観衆4453人)

プレーオフ2ホール目。18番グリーン左手前下に広がるラフに止まったボールを見たら、変なライになっている。岩井千怜が競技委員を呼んで、確認されたのは「モグラが掘った穴」とのこと。無罰で救済を受けて、30yd先のピンを狙ったアプローチは「カツン!」と乾いた音を立て、ボールは勢いよくカップ奥8mのカラーまで転がった。パーパットは届かず、ボギー。パーセーブした鈴木愛に負けた。

手にしたクラブは50度のウェッジ。「転がし上げようと思ったんですけど、スイングのリズムが早くなっちゃって…」という。「今思えば54度が正解なんですが、直感で50度と思ったんです」と残念そうだ。

最後に残念な2つのミスがあった

ティショットにもミスがあった。左ドッグレッグのロケーションの中、レギュラーラウンド、プレーオフ1ホール目と続けてティショットを右ラフに外した。「2回とも“右に出してドローで”と思ったので、右ラフ。だから、もうちょっと内側(左側)を狙ったんです」。すると左サイドの松の木に当たった。幸いフェアウェイにボールは落ちたが、2打目は243ydも残った。「(内容が)寒すぎましたね。まあ振り切ったスイングは良かったけど」と嘆く。

しかし、間違いなく4日間を戦い抜いた。3日目はグリーン周りのラフの難しさに翻弄(ほんろう)されて、出入りの激しい「72」。ホールアウト後の練習で「フィーリングでつかんだものがあって」と即座に修正した。最終日は7バーディ、2ボギーの「67」をマーク。正規の最終18番はショートサイド、強烈な逆目のラフから8ydのアプローチを見事に決めるパーセーブで、プレーオフに持ち込む粘りも見せた。

来年はもっと結果を残したい

「負けたことは悔しいですけど、自分ではやり切ったと思っています。私もいいプレーをしたけど、鈴木さんがそれ以上にすごかった」。米ツアー参戦1年目に初優勝を飾り、国内ツアーも開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」優勝。最終戦は国内メジャー初制覇まであと一歩に迫った。「今年もチームや、ファンのみなさんに『ありがとうございました』と伝えたいけど、来年はもっと結果を出して感謝の思いを伝えたい。メジャーも勝ちたいです」。悔しさをこらえて、ナイスファイトの1年を笑顔で締めくくった。(宮崎市/加藤裕一)

鈴木愛のすごさをたたえて