ホーナー氏の新天地が注目されている(C)Getty Images 来季からホンダのパワーユニットを搭載するアストンマーテ…

ホーナー氏の新天地が注目されている(C)Getty Images

 来季からホンダのパワーユニットを搭載するアストンマーティンF1チームのチーム代表に、空力の奇才と呼ばれるエイドリアン・ニューウェイ氏が就任することになった。

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 レッドブルから移籍後はマネージングテクニカルパートナーを務めていたが、設計責任者をしながら代表職を担うのは異例。チーム代表兼CEOだったアンディ・コーウェル氏は、戦略責任者のチーフストラテジーオフィサーに降格となり、このままフェードアウトしていく運命をたどるという。

 F1関係者によると、ニューウェイ氏はチーム代表の肩書きながら車両設計を担うため、現場に顔を出す機会は少なくなるという。そのために同氏に代わってパドックで指揮を執る人物の起用に動いているといわれている。

 その最右翼がレッドブルのチーム代表の座を追われたクリスチャン・ホーナー氏だ。『BBC』のスポーツニュースウェブサイト「BBC Sports」によると「ニューウェイ氏は新チーム代表就任の発表が出された直後に、ホーナー氏を英シルバーストーンのチームファクトリーに呼んで施設内を見学させた」という。

 ただ、ホーナー氏はレッドブルの女性従業員にセクハラを働いたとして訴えられ、裁判所ではおとがめなしの裁定を得られたものの、チーム内の求心力を失い、更迭に至った。そのためアストンマーティンでも、幹部としての加入に慎重論がうずまいているという。

 チームの共同オーナーがカナダ人大富豪のローレンス・ストロール氏。息子が同チームのレギュラードライバーを務めるランス・ストロールで、親の七光でシートを死守していると常に色眼鏡でみられ、今季は入賞回数が角田裕毅よりも少ない6回で今季で解雇すべきなのでは、との声も上がっている。

 それに父のローレンス氏がオーナーとしてチームを統括している以上はそれも難しい。実は過去にはしっかりとした成績を残しており、1年目の2017年に自己ベストの3位を獲得するなど3度も表彰台に立ち、20年のトルコGPではポールポジションを取った実績がある。結果だけを見れば、一流なのだ。

 ホーナー氏が仮に加入すれば、ランス・ストロールを真っ先にやり玉に挙げ、余計な火種を生むのは避けられない。アストンマーティンはチーム代表格が短期間で離任するケースも相次いでおり、本来であれば、実績も手腕も十分なホーナー氏を招聘したいところではあるが、うまくはコトが運ばないようだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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