5月9日からイタリア・ローマで開幕の「BNLイタリア国際」(ATP1000/クレーコート)。 金曜日に行なわれた準々決勝。ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、ラファエル・ナダル(スペイン)を7-5 7-6(4)で下してベスト4に進んだ。…
5月9日からイタリア・ローマで開幕の「BNLイタリア国際」(ATP1000/クレーコート)。
金曜日に行なわれた準々決勝。ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、ラファエル・ナダル(スペイン)を7-5 7-6(4)で下してベスト4に進んだ。いずれのセットも先にリードしたのはナダルだったが、ジョコビッチがどちらも逆転してのストレート勝ちだった。「クラシック」と呼ばれるに相応しい一戦だった。
ナダルは第2セットでは5度のセットポイントを逃し、およそ2時間半の試合で敗れた。
「今日、ラファを相手に戦った吸う時間は、本当に特別な気持ちになった」とジョコビッチ。「ありがたいことは、この試合がグランドスラムのように5セットマッチではなかったこと。この試合はどうやったら終わるんだろうという感じだったからね」。
両者の対戦はこれでオープン化以降では最多の対戦となる49度目で、ジョコビッチが26勝23敗とした。また、ジョコビッチはこれでナダルに対して7連勝とした。
両者が全仏オープンまでに対戦する機会は今回が最後。あと9日で全仏オープンが開幕する。
「クレーでナダルに勝つというのは、そんなにあることではない。それこそ毎日起きるようなことではないんだ。テニスにおいて究極の挑戦だとは言わないけれど、すごく大きなチャレンジの一つであることは確か」とジョコビッチ。「これで自信に勢いがつくよ。間違いないね。この大会の残りはもちろん、全仏オープンに向けても大きな自信になる」。
ジョコビッチはナダルからこれで15セット連続でセットを奪った。最近で最も接戦だったのは、ナダルが最後に勝った2014年の全仏オープンの決勝だ。
「がっかりはしていない」とナダル。「全体で見れば、僕はいいプレーをしていた。僕は最高の選手を相手に最高のレベルで戦えていたと思うよ」。
ジョコビッチの準決勝の相手は錦織圭(日清食品)となった。錦織とは2週連続での対戦で、今季は4度目だ。いずれもジョコビッチが勝っており、2014年末以来、7戦で連勝中だ。
錦織はドミニク・ティーム(オーストリア)を6-3 7-5で下してのベスト4だ。
ドローのもう一方ではアンディ・マレー(イギリス)がダビド・ゴファン(ベルギー)を6-1 7-5で下してベスト4に進んでいる。
「今までずっとやってきたことが、今、このサーフェスで生きているんだと思う」とマレー。「一生懸命やってきたんだ。僕はその成果を得られるに相応しいと思うよ」。
マレーの準決勝の相手は、予選から出場のルカ・プイユ(フランス)となった。プイユはフアン・モナコ(アルゼンチン)が棄権したため不戦勝での勝ち上がりとなった。主催者側はモナコは左半身に問題を抱えていると発表している。
今大会では7度の優勝経験を持つナダルと、4度のジョコビッチ。過去11大会は二人が分け合っているということだ。この準々決勝は「早すぎる決勝」と呼ばれていた。
第1セットを取ったジョコビッチは、大きなガッツポーズを作った。だが、第2セットの最初のゲームでナダルにブレークされ、コートにラケットを叩き付けていた。
第2セットを2-1とリードしたナダルだったが、左足に異常を訴えてトレーナーを要求。トレーナーは足首をテープで巻いていた。
第2セットのナダルのサービング・フォー・セットでは、ナダルは5本のセットポイントを逃した。その後、ナダルがフォアハンドをミスヒットしてジョコビッチのアドバンテージとなったが、それがこのセットでは初のジョコビッチのブレークポイントだった。それをジョコビッチが取り、試合はイーブンに戻った。
ナダルは第1セットも先にリードしながらジョコビッチに追い付かれ、逆転で落としていた。
「どちらのセットも、最後まで自分の中で別のギアを探すようにしていた。大事なところで付いていけたのが大きいよ。アグレッシブにプレーしてね」とジョコビッチ。「たぶん、僕の方がナダルより2ポイントぐらい多く取っている。この対戦を表すには、それで十分だと思うよ」。
前週のマドリッドでも決勝に進出していたマレーは、今大会でもまだセットを落としていない。彼は月曜日に発表されるランキングではロジャー・フェデラー(スイス)を再び抜き返して2位に浮上する。マレーの相手の52位のプイユは、ジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)が腹筋の故障で棄権したため、ラッキールーザーとしての本戦入りだ。(C)AP