サッカー女子の国際親善試合が29日、長崎・ピーススタジアムであり、世界ランキング8位の日本女子代表(なでしこジャパン)…

 サッカー女子の国際親善試合が29日、長崎・ピーススタジアムであり、世界ランキング8位の日本女子代表(なでしこジャパン)はカナダ代表(同9位)を3―0で下し、5試合ぶりの白星をあげた。

 日本は前半43分、MF谷川のゴールで先制。後半6分にFW田中、同23分にMF藤野が決めて突き放した。

 なでしこジャパンは12月2日に行うカナダとの練習試合が年内最後の活動。来年3月にはアジアカップに臨む。

■先発唯一の国内組、高橋がもたらすもの

 日本代表の選手の所属先には、カタカナがずらりと並んだ。先発に海外のチームでプレーする選手が10人いる中、唯一の国内組、DF高橋が存在感を発揮した。

 前半43分、敵陣でパスを受けると「大外が空いている」。右サイドからクロスを上げ、先制点の起点となった。守備では相手に厳しく寄せ、好機を作らせなかった。90分間攻守に走り回り、「国内で試合ができて力になった」と振り返った。

 女子日本代表の試合は海外開催が多い。今年は13試合のうち、国内開催はこの日で2回目だった。8634人が入った会場には子どもたちの姿も多かった。

 高橋もかつて、なでしこジャパンを応援する少女だった。2011年のワールドカップを制したときの主将・澤穂希が好きで、東京・国立競技場で観戦したのを覚えている。「かっこよくて自分もああなりたいと思った」

 憧れの選手を直接見られることは、子どもたちにとってスポーツを始めたり続けたりする大きな動機となる。「未来のなでしこを担う選手たちにとって、何かのきっかけになれば」と高橋。

 女子サッカー界では、20代前半から海外でプレーすることが広がりつつある。体格差を苦にしない選手が増えるなど、強化に結びついている。

 一方、数少ない国内組の奮闘がもたらすものも、間違いなくある。2月、高橋らがプレーするWEリーグが再開する。(藤野隆晃)