◇国内女子最終戦◇JLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ 3日目(29日)◇宮崎CC◇6543yd(パー72…
◇国内女子最終戦◇JLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ 3日目(29日)◇宮崎CC◇6543yd(パー72)◇晴れ(観衆3476人)
笑顔で両手を掲げ、金澤志奈がはしゃぎまくる。前半9番(パー5)、花道から80ydの3打目がピン手前50cmほどに落ち、ワンバウンドでカップに消えた。鮮やかなショットインイーグルは「56度(のウェッジ)のフルショットでピッタリ」の距離だった。
どちらかと言えば“クール・ビューティ”系がガッツポーズどころか、踊るようなリアクションを見せた。「入ったのはすぐわかったんですが、ファンの方がものすごく喜んでくれていたんで」。期待に応えたい一心だった。
しかし「本当に大きかった」というビッグプレーで、たまっていた鬱憤が爆発したのも事実だ。首位と4打差8位から出て、パー5の2番でボギーが先行。1、4、6番でグリーンを外し、7番まで必死でパーを重ねて「しのいでいた」という。
流れを変えるきっかけは実測180ydの8番(パー3)。5Uで3mにつけて初バーディを奪った。「やっといいショットが打てたんです」。調子は悪くないのに、少しラフに入ったり、2本のクラブの中間距離が残ったり…。そんな嫌な流れが途切れ、会心のイーグルで加速した。終わってみれば2日連続「68」でリーダーボードのトップに立った。
9月の国内メジャー「日本女子プロゴルフ選手権」でプロ通算232試合目、史上8番目のスロー記録で初優勝を手にした。7月の国内男子「リシャール・ミル チャリティ」前のペアマッチで石川遼と組んで優勝した経験に「石川さんと一緒に回れるなんて…。プロゴルファーになって本当に良かった」と感激。石川の持つ“スター性”に感化されてか、物静かだったキャラクターからめっきり明るくなって、ゴルフ人生の流れも変わってきた。
今シーズン最終戦の最終日を首位で迎える。同一シーズン国内メジャー2冠となれば、昨季の竹田麗央(日本女子プロ&日本女子オープン優勝)以来、ツアー史上18人目だ。「思い通りにいきますかね?」と甘く考えてはいない。ただ「最後まであきらめずに頑張ります」という覚悟だけは、負けるつもりはない。(宮崎市/加藤裕一)