兵庫県西脇市出身でオートバイのトライアル競技・国際A級スーパークラスのプロライダー、藤原慎也さん(35)=京都市=が、…

 兵庫県西脇市出身でオートバイのトライアル競技・国際A級スーパークラスのプロライダー、藤原慎也さん(35)=京都市=が、来年1月にサウジアラビアで開かれるダカール・ラリーに初参戦する。今回の二輪車部門では日本選手で唯一の参戦。レースの様子はSNSで発信予定で、「広大な砂漠の景色を一緒に感じながら応援してほしい」と語る。

 ダカール・ラリーは来年1月3日から17日まで、サウジアラビアのヤンブーを発着点に約8千キロを四輪車や二輪車で走行する。これまでもアフリカや南米で行われ、砂漠など道なき道で競うことから「世界一過酷なラリー」と評される。

 藤原さんは父親の影響で幼少からオートバイに慣れ親しみ、中学生のころから日本国内のレースに参戦。24歳で全日本トライアル選手権シリーズの国際A級クラスでチャンピオンになり、国内最高峰の国際A級スーパークラスでも好成績を残している。

 ダカール・ラリーに出場するには主催者にふさわしいと認められる運転技術や経験が必要となる。藤原さんは国際A級ライダーでもある兄の由樹さん(40)=西脇市=の協力も得て準備を重ね、昨年にモロッコで行われたラリーを完走するなど実績を残し、今回の出場が認められたという。

 ダカール・ラリーでは、コースの分岐点などを示した図を頼りに、岩が転がる荒野を時速140キロほどで駆け抜けることもある。事故で負傷者や死者が出ることもあり、リタイアするライダーが多いという。

 藤原さんは別のラリーで走行中、集中力が途切れて転倒し、20分間ほど気を失ったことがある。「ダカールは世界最高峰のラリーで、走るほどに身が削られる。技術や体力、精神力ではなく、最後は人間の底力のすべてが試される」と表情を引き締める。

 どこまでも続く地平線や広大な砂漠、地球の果てを思わせる荒野。ダカール・ラリーの舞台は藤原さんにとって幼いころから夢見てきた世界だった。完走して夢を実現することで、多くの人に夢を与えるライダーになりたいとの思いも秘める。

 「小さくても大きくてもみんなロマンを持っている。心に閉じ込めていたロマンをもう一度呼び起こし、夢をかなえる一歩を踏み出す背中を押したい」(大久保直樹)