いよいよ来週末、世界中が注目するサッカーワールドカップの抽選会が行われる。日本代表に関することだけでも、どんなチームと…

 いよいよ来週末、世界中が注目するサッカーワールドカップの抽選会が行われる。日本代表に関することだけでも、どんなチームと一緒のグループになる可能性があるのか、さらには、決勝トーナメントのことまで考えると有利な組はどこかなど、気になる点は多い。そこで、来年から参加チームが32か国から48か国に増えることで複雑になった大会方式を含め、サッカージャーナリスト大住良之が抽選会および本大会に向けての「注目ポイント」を徹底的に洗い出す!

■複雑な「ラウンド32」の組み合わせ

 今大会で最も複雑なのが「ラウンド32」の組み合わせである。3位から上がった8チームは、A、B、D、E、G、I、K、Lの8グループの1位と対戦することになっているのだが、12グループのうちどの8つが残るかで、どの組の1位と当たるかが変わってくる。

 こうした形は、24チーム、16チームによるノックアウトステージという形式で行われた1986年メキシコ大会から1994年アメリカ大会まで3大会で使われていた。しかし当時は、3位6チームから4チームを決める形で、その組み合わせは「わずか」15通りだった。だから、どの組の3位が残ったか、全15通りの組み合わせと、その対戦相手を示す表が用意され、誰にもわかるようになっていた。

 では、12チームから8チームを決める組み合わせは何通りあるだろうか。結論だけいえば、「495通り」にもなるのである。なんと! こんな表をつくっても意味はない。だから、とりあえずごく一部のFIFAスタッフしか知らない「ブラックボックス」ということになる。

「ラウンド32」でいずれかの3位チームと対戦する上記8グループ以外、すなわち、C、F、H、Jの4組の1位は、3位ではなく、2位のチームと当たる。組み合わせは、C組1位×F組2位、F組1位×C組2位、H組1位×J組2位、J組1位×H組2位。

「ラウンド32」の残り4試合は2位同士の対戦で、A組2位×B組2位、D組2位×G組2位、E組2位×I組2位、そしてK組2位×L組2位となる。

■日程が厳しい「ラウンド16」以降

 1位チームにとって、ラウンド32で3位チームと当たるのは有利だろうか。ここから決勝まで5試合を戦わなければならない。チームによっては、ここでターンオーバーをしておき、ラウンド16以降に備えるかもしれない。

 しかしラウンド16を見ると、ラウンド32の「1位×3位」の勝者は、ラウンド16でやはり「1位×3位」の勝者と当たることになっているのである。すなわち、この時点で「1位同士」の対戦が生まれる可能性が十分ある。

 それに対し、ラウンド32の「1位×2位」の勝者がラウンド16で当たるのは、「2位×2位」の勝者となる。すなわち、「1位同士」の対戦が生まれるのは、準々決勝以降となるのである。このあたりをどうとらえるか、なかなか興味深いところだ。

 ラウンド16以降は、日程の厳しさが重くのしかかってくる。ラウンド32からラウンド16まで、「中3日」で試合をしなければならないチームが7つ。この段階での試合間隔は、中5日が2チーム、中4日が7チーム、中3日が7日と、不公平が目立つ。さらに、ラウンド16から準々決勝の試合間隔も、中5日が2チーム、中4日が2チーム、中3日が4チームとばらつきがある。

 準々決勝から準決勝は中4日が1チーム、中3日が3チーム。そして準決勝から決勝にかけては、1チームが中4日で、もう1チームが中3日となっている。そのうえ、3位決定戦までノックアウトステージの32試合のうち30試合が長距離の移動を伴う日程なのである。

■森保監督の「本気」がわかるチームづくり

 ラウンド32を勝ち抜いてラウンド16に挑むのに移動を要しないチームはわずか2つ。「B組1位×E/F/G/I/J組3」の勝者は、バンクーバー(カナダ)に居座って中4日をラウンド16への準備にあてることができる。相手はカンザスシティでラウンド32を戦い、移動を含めて中3日で試合をしなければならない「K組1位vsD/E/I/J/L組3位」の勝者である。

 また、「G組1位×A/E/H/I/J組3位」の勝者は、シアトルに居座って「D組1位×B/E/F/I/J組3位」の勝者を待ち受ける。試合間隔はともに中4日。後者はラウンド32をサンフランシスコで戦っている。

 こうした厳しい日程を見れば、「選手層」がこの大会の大きな要素となることは明白だろう。1チームがエントリーできる選手数は26人。2025年3月にワールドカップ出場を決めた日本代表の森保一監督は、6月以降の代表活動で多くの選手にプレーのチャンスを与えてきた。その結果、不本意な試合もあったが、選手層は1年前とは比べようもなく厚くなった。森保監督が本気で「8試合を戦い抜いて優勝する」ためのチームづくりをしているのは、この一事でもわかる。

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