いよいよ来週末、世界中が注目するサッカーワールドカップの抽選会が行われる。日本代表に関することだけでも、どんなチームと…

 いよいよ来週末、世界中が注目するサッカーワールドカップの抽選会が行われる。日本代表に関することだけでも、どんなチームと一緒のグループになる可能性があるのか、さらには、決勝トーナメントのことまで考えると有利な組はどこかなど、気になる点は多い。そこで、来年から参加チームが32か国から48か国に増えることで複雑になった大会方式を含め、サッカージャーナリスト大住良之が抽選会および本大会に向けての「注目ポイント」を徹底的に洗い出す!

■所属クラブに支払われる「選手の日当」

 そもそも代表チームによるワールドカップは、決勝まで7試合が限界であると私は考えていた。選手と契約を結んでいるのはクラブである。代表チームは、クラブから選手を借り受けて活動をする。クラブもワールドカップ出場や活躍で選手の資産価値が上がるからそれを容認してきたが、欧州のクラブが選手に多額の報酬を払うようになった今世紀、32日間、7試合は、クラブの「許容限度」だったからだ。

 しかし2010年大会から、出場チームへの「賞金」のほかに、選手を出したクラブへの「補償金(クラブ・ベネフィット・プログラム)」が支払われるようになった。当初は総額4000万ドル(当時のレートで約36億円)だったが、次第に増額され、2022年カタール大会では総額2億900万ドル(当時のレートで292億6000万円)となった。この大会の総参加選手837人。これにそれぞれの選手が大会で過ごした日数を乗じて総日数を算出し、1日当たりに均等割りした額(この大会では1万950ドル=当時のレートで約153万3000円)に各選手が大会で過ごした日数をかけたものが所属クラブに支払われた。

 FIFAの発表によれば、イングランドのクラブはこの制度で総計3771万3297.71ドル(約52億7986万円)を受け取ったという。その「補償金」がクラブの「許容限度」をアップさせた結果が、今回の「大会期間39日、決勝まで8試合」なのである。ちなみに、今大会の「補償金」は、前回より約70%増の総額3億5500万ドル(現在のレートで約568億8000万円)である。

■ワールドカップから「くじ」が消える!

 さて、「グループ」は従来の8から12に増えるが、グループステージの順位決定方法で大きな変更があった。全試合を終わって同勝点の場合、従来のワールドカップでは、①グループ全試合の得失点差、②同総得点、③フェアプレーポイント(イエローカードとレッドカードの数)、④くじで順位が決められていた。しかし今大会では、「当該チーム同士の対戦結果」が優先されることになったのである。

 今回は、同勝点の場合、以下の順で順位を決める。①当該チーム同士の対戦の勝点、②同得失点差、③同総得点、④グループ全試合の得失点差、⑤同総得点、⑥フェアプレーポイント、⑦最新のFIFAランキング、⑧それでも決まらない場合にはひとつ前のFIFAランキングと、抽選にせずにあくまで決着をつける。ひとつ前のFIFAランキングでも差がつかない場合には、もうひとつ前までさかのぼる。

■最終節は「見たい試合がかぶる」可能性大

「ノックアウトステージ」には32チームが進む。各グループの上位2チーム、計24チームに加え、3位の12チームから成績の良い8チームが残されるのである。3位チーム間の順位決定方法は、「当該チーム同士の対戦」はないから、上記の④以下の基準が適用される。

 これまでのワールドカップでは、1日の試合数は、通常3試合、グループの「最終節」で4試合だった。32チームの大会では8グループ。「最終節」は同じグループの2試合を同時刻キックオフで行う必要があり、4日間で2グループずつ、すなわち毎日4試合が行われた。

 しかし今回、48チーム、12グループの「最終節」を前回と同じ4日間で消化するため、1日に3グループ、計6試合をこなすことになる。1934年イタリア大会(ノックアウト方式)では1回戦8試合を1日で、また1958年スウェーデン大会(出場16チーム)では4グループ各節の8試合を1日でこなしたが、ワールドカップが「テレビ時代」になってからは1日4試合が最多だった。「テレビ時代の1日6試合」がどんな「景色」になるのか、誰にも想像できない。

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