レッドブルで長く活動したペレス(C)Getty Images 注目される去就問題に何らかの答えが出たのか。レッドブルの角…

レッドブルで長く活動したペレス(C)Getty Images

 注目される去就問題に何らかの答えが出たのか。レッドブルの角田裕毅が発した発言が話題となった。

 現地時間11月28日からドーハ郊外のルサイル・インターナショナルサーキットで始まるカタールGPを前にした角田は、英衛星放送『Sky Sports』をはじめとする複数メディアに対して「特に話し合いはしていないし、何かを知っていたとしても話せることもない。でも、正直に言えば、メディアや多く人と同じ理解だ」と語った。

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 今GPは角田にとってまさに正念場ではある。レッドブル首脳陣が姉妹チームのレーシングブルズを含めた来季陣容の発表を決勝終了直後に行うと決定。本人が目標としてきた「残留」に向けたラストチャンスとなるのだ。

 もっとも、角田は自身の将来を問われて「苛立ってるか? いや、ない。だってこうなるのは事前にわかっていたことだから。実際、シーズン序盤から始まってたんだよ。だから今さら何も変わらない」とも発言。すでに何かを悟ったかのような言葉を残している。

 レーシングブルズの超新星アイザック・ハジャーの昇格が有力視される中で、今季限りでの契約満了を迎える角田の立場は厳しいままだ。F1残留すらも叶わない可能性も小さくない。

 そうした中で、レッドブルの内情を知るOBの意見は響く。21年から昨シーズンまで、チームのセカンドドライバーとして在籍していたセルジオ・ペレスのそれだ。

 昨シーズンまで、“絶対王者”マックス・フェルスタッペンのチームメイトとしてF1に参戦していた35歳は、専門メディア『Motosports.com』のイタリア版において「レッドブルで起きたことは、結局、僕にとっては最善のことだったと確信している」と断言。そして、舞台裏においてエースが優遇されるチーム状況を暗にくさすように、こう続けている。

「レッドブルのあらゆるプロジェクトは、彼(フェルスタッペン)のためにある。だから僕がいた時も状況は、とても過酷だった。そしてレッドブルにやってきたドライバー、そして今後やってくるドライバーは、誰もが同じ問題に直面することになるんだ。あのマシンは操るのがとても難しいが、常にフェルスタッペンのスタイルに合わせなければいけないというね」

 無論、F1は結果が全ての独特な業界だ。今季の角田のようにポイント喪失を繰り返せば、ある種、冷徹な首脳陣からの求心力が低下するのも無理はない。

 それでもフェルスタッペン仕様に開発されたマシンの操舵に加え、強化もエースに主導で実施されていくのは、セカンドドライバーたちにとってはやはり過酷だ。近走で陣営の失態に足を引っ張られている角田もペレスと同様のフラストレーションを抱えているのかもしれない。

 いずれにしても、シーズンはあと2戦。角田に生き残る道は残されているだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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