2025年シーズンWRC第14戦サウジアラビア(グラベル)は、11月28日(金)に、3日目の7SSを走行し、アドリアン・…
2025年シーズンWRC第14戦サウジアラビア(グラベル)は、11月28日(金)に、3日目の7SSを走行し、アドリアン・フルモー(ヒョンデ)が首位を走行。2.4秒差の2番手にマルティンス・セスクス(Mスポーツ・フォード)、5.8秒差の3番手にティエリー・ヌービル(ヒョンデ)が入った。
ラリー3日目はジェッダのサービスパーク東側のエリアが舞台となり「Alghullah(11.69km)」、「Um Al Jerem(30.58km)」、「Wadi Almatwi(24.90km)」の3本を中間サービスを挟んでリピートする6SS、134.34km。今回のラリー最長の1日となる。前日に続きコンディションはドライ。ルーズグラベルが深く堆積する場所もあれば、パンクを誘発する岩肌が覗くセクションもあるなど、厳しい路面がクルーを待ち構える。これを受けてすべてのトップクルーがソフトタイヤ5本を選んでサービスを後にした。
オープニングのSS9、首位のフルモーがサミ・パヤリ(トヨタ)に1.8秒、セスクスに2.9秒差のベストタイム。首位フルモーと総合2番手のパヤリとの差は7.8秒に拡大した。9.8秒差の総合3番手にセスクス、18.0秒差の総合4番手にオィット・タナック(ヒョンデ)、19.9秒差の総合5番手にヌービル、32.7秒差の総合6番手に勝田貴元(トヨタ)がつける。
ドライバーズ選手権タイトルを争うトヨタの3人は、苦しい展開が続く。前日に続き早いスタート順によるグラベル掃除を強いられ、56.4秒差の総合7番手にセバスチャン・オジエ、1分32秒9差の総合8番手にカッレ・ロバンペラ、1分42秒9差の総合9番手にエルフィン・エバンスと、トップから大きく遅れてしまった。

この日最長の30.58kmを走るSS10は、タナックがセスクスに0.1秒、パヤリに3.1秒、フルモーに5.7秒差をつける一番時計。セスクスがパヤリをかわし、総合2番手に順位を上げた。インカムトラブルに見舞われた勝田は、16.7秒差のSS6番手タイムでまとめている。
SS11もタナックが連続ベスト。1.8秒差のセカンドベストをマークしたセスクスが、首位フルモーとの差を2.9秒にまで縮めてみせた。総合9番手のエバンスはスタートから4.1km地点で左リヤタイヤをパンク、ステージ中の交換を余儀なくされ、2分以上を失った。これでグレゴワール・ミュンステール(Mスポーツ・フォード)に抜かれて、10番手にポジションダウン。悲願の初タイトルに向けて、さらに厳しい状況となってしまった。
ジェッダでのサービスを挟んだ午後のセクション、オジエとロバンペラがソフトタイヤ5本にハード1本、それ以外のクルーはソフト6本をチョイス。SS12はタナックが、セスクスに1.9秒、フルモーに2.9秒差の3連続ベストタイムを刻む。首位フルモーとセスクスとの差は1.9秒に縮まり、タナックはパヤリと同タイムの総合3番手に順位を上げた。
この日最長を走るSS13では、波乱の展開が待っていた。首位を争っていたパヤリとタナックが相次いでパンクを喫し、ステージ中のタイヤ交換を余儀なくされてしまう。1分以上を失ったタナックは総合5番手、パヤリは2分以上をタイムロスし、総合8番手までポジションダウン。さらに首位のフルモーはジャンクションでオーバーシュートを喫し、20秒以上をロス。これで、セスクスがフルモーに22.1秒差をつけて首位に立つ。「ダストで何も見えなかった」と、フルモーは肩を落とした。50.3秒差の総合4番手にヌービル、1分25秒1差の総合5番手に勝田と、それぞれ順位を上げている。

この日を締めくくるSS14もパンクが続出する波乱の展開に。ここまでノートラブルで走り続けてきた首位のセスクスが、フィニッシュまで6km地点で、左リヤタイヤをパンク。そのまま走り続けたものの、ベストのロバンペラから54.1秒差のSS9番手タイムに沈む。フルモーもステージ終盤でパンクを喫し、29.6秒差のSS7番手タイムで走り切り、セススクにわずか2.4秒差ながらも首位を奪還。ただ、5.8秒差の総合3番手には、この日は大きなトラブルなく走り続けたヌービルが迫ってきた。
43.9秒差の総合4番手は「キツい1日でしたが、なんとか戻ってこられました。明日、何が起こるかですね」と、語る勝田。オジエをかわしたロバンペラが総合5番手、以下、総合6番手にオジエ、総合7番手にパヤリ、総合8番手にエバンスのオーダーで続く。総合5番手を走行していたタナックは、ステージ序盤でまたもパンク。交換するタイヤが残っておらず、7分以上遅れてフィニッシュし、入賞圏外にまで順位を落としている。
競技4日目はSS15〜SS17の3SS、SS走行距離は65.86km。オープニングのSS15は日本時間の11月29日15時05分にスタートする。
WRCラリーサウジアラビア SS14後暫定結果
1. A.フルモー(ヒョンデi20Nラリー1) 2:43:17.7
2. M.セスクス(フォード・プーマ・ラリー1) +2.4
3. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +5.8
4. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +43.9
5. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:15.0
6. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:15.2
7. S.パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:37.2
8. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +3:55.0
9. G.ミュンステール(フォード・プーマ・ラリー1) +6:15.8
10. O.ソルベルグ(トヨタGRヤリス・ラリー2) +7:29.1