独立リーグの雄・徳島インディゴソックス。今年も5選手がNPBから指名され、13年連続ドラフト指名が決まった。まさに偉業で…

独立リーグの雄・徳島インディゴソックス。今年も5選手がNPBから指名され、13年連続ドラフト指名が決まった。まさに偉業である。

 その中でもドラフト前から上位指名が期待されていたのが、高卒2年目の篠崎 国忠投手(修徳)だ。193センチ100キロと恵まれた体格から最速157キロの剛速球、140キロ台の高速フォークを武器に防御率3.80、47.1回49奪三振と投球回以上の三振を奪った。特徴的なのは、後期になってから内容が良化したこと。33.1回、39奪三振。暑さがピークになる後期のパフォーマンスはドラフトの評価に大きく影響する。

 ドラフト直前、関係者の間では「3位まではほぼ間違いない」と囁かれていた。独立リーガーは事前評価よりも下位指名になるケースが多いが、前評判通り中日から3位で指名された篠崎。徳島での2年間はどんなものだったのか。

我慢の1年目を乗り越え、2年目に才能開花

「結局は成功するかは自分次第だと思います」

 独立リーグで成功するための秘訣について聞くと、篠崎はこう答えた。

どんなに良い施設があっても、優れた指導者がいても、最終的には“自分次第”というのが篠崎の考えだ。それだけ篠崎は自分の取り組みに自信を持っており、つねに理想を追求してきたことがうかがえる。

 思えば、修徳高校時代の篠崎にドラフト直前でインタビューをした時も、試行錯誤しながらトレーニングをしている姿に印象を受けた。大きな身体を有効的に使うためのトレーニングに取り組み、1週間に数回は外部トレーナーに指導を受けていた。徳島インディゴソックスも徹底的にトレーニングに取り組むチームだ。まさに篠崎にとってはぴったりのチームに入ったということだろう。

 修徳時代、最速147キロを計測する篠崎に対して、6~7球団から調査書が届いていたが、結局ドラフトでは指名漏れとなった。すぐさま多くの大学、社会人、独立リーグのチームがこの大器にオファーをかけた。その中で篠崎は徳島を選んだ。

「自分を足りないものを伸ばしている取り組みをしているチームと聞いて、『ここならばNPBにいける』と徳島に決めました」

 最短1年でNPB入りを狙った篠崎だったが、徳島1年目はわずか2試合登板に終わった。もちろんドラフトの指名はなかった。

「試合に出たかったですけど、試合に出られる状況ではないと思っていました。課題は全部といえるほど力が足りなかったので。

 強いていえば筋力が一番足りていませんでした。1年目オフのトレーニングでは全体的に量を増やして、取り組みました」

 トレーニングの成果もあって、2年目になるとストレートの球速が向上。150キロを出す頻度も増えて、手応えを掴んだ篠崎は前期だけで7試合に登板した。

「前期はコントロール、変化球の精度という部分が足りていなかったので、このあたりを磨いて後半戦に臨みました」

 後半戦はフォーク、カーブを主体にしてピッチングを構成した。新たに習得したものではなく、高校時代からずっと投げていた球種だった。

「高校時代から、変化球を投げるのが得意でした。徳島に入団してから2年間、ストレートのレベルアップを追求してトレーニングしてレベルアップした一方で、変化球があまり投げられなくなっていたのですが、後期を迎える前に変化球を投げる感覚が戻ってきていました。さらにこの2年でストレートの出力が大きく向上したことで、後期はうまく投げられたと思います」

 後期で篠崎は上述の通り最速157キロをマーク。140キロ台の高速フォークのコンビネーションで33.1回、39奪三振の快投を見せた。

 今年のドラフト市場は、高校生の大型投手が少なかった。高卒2年目の大型投手・篠崎の評価はメキメキと上がっていった。

 結局篠崎は徳島での2年目、19試合に登板して、防御率3.80、47.1回49奪三振と1年目より大きく上回る成績でシーズンを終えた。「できることはすべてやりきりました」と思い残すことなく迎えたドラフトでは全体で32番目の評価、ドラフト3位で中日から指名を受けた。

プロでは奪三振王を目指したい

インタビューに答える篠崎

篠崎は入団する中日投手陣の印象についてこう答えた。

「先発投手陣には複数投手がいて、日本を代表するようなクローザー・松山晋也投手もいる。全体的に良い投手が増えているチームだと思っています」

「ストレートの強さ、ボールの角度。そして気持ちの強さで勝負できるところだと思います」と徳島2年間で磨いてきたストレートで勝負するつもりだ。

「1年目から一軍でどこでも投げたい。最終的には奪三振王を獲得するのが目標です」


 篠崎は徳島インディゴソックスの強みについてこう語る。

「やってくるNPBスカウトの数がほかの独立リーグ球団に比べてどこよりも多い。見られることが多いのは有利です。そこからNPBに入れるかどうかは自分の意志の強さにあると思います」

 徳島からNPB入りを決めた選手たちの多くが、最初は徳島球団のレベルの高さに圧倒され、挫折感を味わったと語る。特に高卒選手はその傾向が強い。しかし、篠崎はそうした言葉を一切発さなかった。徳島に入った段階から、自分がやるべきこと、目標が明確にあったからだろう。

 篠崎のスケールの大きさと意志の強さはNPBでも大きな強みになるだろう。球界屈指の剛腕として呼ばれる日もそう遠くない。