カタールGPを前に去就に対する想いを語った角田(C)Getty Images F1キャリア5年目に名門レッドブル昇格を果…

カタールGPを前に去就に対する想いを語った角田(C)Getty Images
F1キャリア5年目に名門レッドブル昇格を果たし、セカンドドライバーとして奮闘を続けてきた角田裕毅。今季限りで契約満了を迎えるため、去就が不透明となる中、本人の意味深な発言が話題を生んでいる。
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現地時間11月28日からドーハ郊外のルサイル・インターナショナルサーキットで始まるカタールGPを前にして角田は「今さら変わらない」とコメント。姉妹チーム・レーシングブルズの新人アイザック・ハジャーと、元同僚リアム・ローソンとの残留争いに対する持論を語った。
すでに陣容は固まったのか。レーシングブルズを含めた来季陣容の発表をカタールGPの終了直後に行うとレッドブル陣営が決定を下す中、英衛星放送『Sky Sports』をはじめとする複数メディアの問いかけに応じた角田は冷静に応対。「チームとは話し合ったのか」という質問に対して、淡々と自らの考えを口にした。
「特に話し合いはしていないし、何かを知っていたとしても話せることもない。でも、正直に言えば、メディアや多く人と同じ理解だよ。ただ最後まで何が起こるかわからない」
時折、唇をかみしめながらも、至って冷静に去就言及した角田。さらに「もうプランBは考えているの? 話し合いがないのだとしたら自分の将来をどう考えているか」と切り込まれると、「特にない。今はレースのことだけに集中している。まだ自分の手の中にあると思っている」と続けた。
「もちろんマックス(・フェルスタッペン)を助けたいと思ってる。それが成功すれば、僕の将来にとってもポジティブなことになるから。将来のことで苛立ってるか? いや、ない。だってこうなるのは事前にわかっていたことだから。実際、シーズン序盤から始まってたんだよ。だから今さら何も変わらない」
何かを諦めたかのように去就への想いを語った角田。「話せることもない」としながらも、「多く人と同じ理解だ」と打ち明ける25歳の言葉は、各国メディアでもクローズアップされている。シート争いを続けているローソンの母国ニュージーランドの日刊紙『New Zealand Herald』は「重要なのは彼が何を言ったかではなく、どのように言ったかだ」と強調し、「ユウキ・ツノダは言葉よりも自分の態度で、F1での将来を逃してしまったようだ」と指摘。憮然とした言動から残留が叶わなかったのではないかと分析した。
近走では自身のミスよりも、陣営に足を引っ張られる形で苦しんできた。前戦のラスベガスGPでは予選でスタッフがタイヤの空気圧調整を誤るという初歩的な失態を犯し、マシンは大きく後退。さらに完走したマシンの内で最下位の17位に終わった11月6日のサンパウロGPでも、10秒のタイムペナルティ中に迎えたピットストップ中にクルーが作業を開始。不要なタイムペナルティ(10秒)を加算される予期せぬ事態に巻き込まれていた。
そうした中で角田は「ちゃんと知りたいんだ。どうしてあんなことが起きたのか……。だって起きたのは本当に基本的な部分。マシンから完全にウインドウが外れてもいた。小さな問題で済ませられるレベルじゃなくて、競争力を発揮するのは無理な状態だったんだ」と陣営に対する不満を訴えていた。
無論、残留の可能性が完全に消滅したわけではない。しかし、審判の時が近づく中で角田が限りなく厳しい立場にいるのは間違いない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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