2025年シーズンWRC第14戦ラリーサウジアラビア(グラベル)は、11月27日(木)に2日目の7SSを走行し、アドリア…

2025年シーズンWRC第14戦ラリーサウジアラビア(グラベル)は、11月27日(木)に2日目の7SSを走行し、アドリアン・フルモー(ヒョンデ)が首位を走行。6.0秒差の2番手にサミ・パヤリ(トヨタ)、6.9秒差の3番手にマルティンス・セスクス(Mスポーツ・フォード)が入った。

変則的なスケジュールを採用したサウジアラビアは、水曜日にシェイクダウンとターマックステージのSS1を実施。27日木曜日から、本格的なグラベルステージを走行する。この日は、サービスパークの北側エリアを舞台とする「Al Fasallyah(19.36km)」、「Moon Stage(20.12km)」、「Khulays(11.33km)」の3本を、ジェッダでの中間サービスを挟んでリピート。最後に前日も走った「Jameel Motorsport Super Special(5.22km)」で締めくくる7SS、112.06km。

柔らかい砂がライン上に堆積した砂漠地帯から、岩が点在するハードグラベルまでを含むステージを走行するこの日、コンディションはドライ。この地域での豊富な経験を持つナッサー・アル-アティヤ(Mスポーツ・フォード)のみがソフトタイヤを5本、それ以外のトップクルーはソフトタイヤを6本を選んでサービスをスタートした。

SS1、ベストタイムは後方スタートのアドバンテージを活かしたセスクスが、パヤリに0.3秒差のベストタイム。2番手スタートながらも、セバスチャン・オジエ(トヨタ)が1.6秒差のSS3番手タイムでまとめた。この結果、セスクスがオジエに1.2秒差で首位に浮上している。

以下、1.3秒差の総合3番手にパヤリ、3.0秒差の4番手にフルモー、3.4秒差の5番手にティエリー・ヌービル(ヒョンデ)、5.9秒差の6番手にオィット・タナック(ヒョンデ)、6.8秒差の7番手にカッレ・ロバンペラ(トヨタ)、9.2秒差の8番手で勝田貴元(トヨタ)。ポイントリーダーのエルフィン・エバンス(トヨタ)はグラベル掃除を強いられ、14.9秒差の9番手に沈む。このステージで右フロントタイヤをパンクし、ステージ中に交換したジョッシュ・マカリアン(Mスポーツ・フォード)は、2分以上を失い、大きく順位を落としている。



大きな岩が点在するSS3も、セスクスがフルモーに4.3秒、タナックに5.8秒差をつける連続ベストをたたき出した。荒れた路面を警戒したオジエは、23.4秒差のSS10番手タイムと遅れ、総合2番手から7番手へ。セスクスに7.3秒差の総合2番手にはフルモーが浮上した。8.5秒差の3番手にパヤリ、右リヤタイヤをスローパンクチャーしたヌービルは総合6番手に順位を下げ、タナックが総合4番手、勝田が総合5番手に順位を上げている。

SS4はパヤリがフルモーに0.8秒差をつける、今回初のベストタイム。ジャンクションでミスを喫したセスクスは6.8秒差の4番手タイムとなり、2番手につけるフルモーとの差は1.3秒、3番手につけるパヤリとの差は1.7秒差に縮まった。後方では3番手タイムのヌービルが、勝田を交わして総合5番手に順位を戻している。総合8番手のロバンペラは左リヤタイヤをパンク、これで40秒以上をロスし、タイトル争いから一歩後退する総合10番手へとポジションを下げた。

ジェッダでのサービスを挟んだ午後のセクション。ソフトタイヤを6本選んだフルモー以外は、ソフトとハードを組み合わせてリピートステージへと向う。SS5はセスクスがパヤリに2.2秒差、フルモーに3.1秒差をつけて、この日3度目の一番時計。パヤリはフルモーをかわし、総合2番手に順位を上げた。9番手を走行するアル-アティヤがジャンプの着地に失敗し、ハッチゲートを失っている。



SS6、首位のセスクスが、岩に右リヤタイヤを当ててパンク。ベストのパヤリから16.8秒差のSS9番手タイムとなり、総合3番手にドロップ。これでパヤリがフルモーに5.3秒差をつけて、トップに立った。左リヤタイヤをパンクしながらも、パヤリから2.7秒差のセカンドベストでまとめた勝田は、総合4番手のタナックに1.0秒差、総合5番手のヌービルに0.7秒差にまで迫っている。後方では9番手を走行していたアル-アティヤもスタート直後にパンク。ステージ中でのタイヤ交換に手間取り、7分以上のタイムロスを強いられ、大きく順位を落とした。

SS7、首位のパヤリは走行中にタイヤのトレッド面が剥離し、ベストのタナックから13.5秒差のSS7番手タイム。2.9秒差のSS3番手タイムで走ったフルモーが、パヤリに5.3秒差をつけてトップに立った。午後もルーズグラベルが残る先頭スタートを強いられたエバンスは、「悪夢のようだった」と振り返り、ロバンペラに抜かれ、総合9番手に順位を落とした。



5.22kmの舗装路を舞台に行われるSS8は、オジエとセスクスが、タナックに0.5秒差をつける同タイムのベスト。2.0秒差の7番手タイムで走り切ったフルモーは、総合2番手のパヤリに6.0秒、総合3番手の6.7秒差をつけて長い1日を走り切った。タナックとヌービルを挟み、勝田は22.9秒差の総合6番手。タイトルを争うトヨタの3人は、オジエが44.2秒差の総合7番手、1分21秒2差の総合8番手にロバンペラ、1日を通して厳しい出走順で走ったエバンスは、1分25秒3差の総合9番手につけている。

競技3日目はSS9〜SS14の6SS、SS走行距離は141.72km。オープニングのSS9は、11月28日の日本時間14時26分にスタートする。

WRCラリーサウジアラビア SS8後暫定結果
1. A.フルモー(ヒョンデi20Nラリー1) 1:18:45.3
2. S.パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +6.0
3. M.セスクス(フォード・プーマ・ラリー1) +6.9
4. O.タナック(ヒョンデi20Nラリー1) +13.7
5. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +14.9
6. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +22.9
7. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +44.2
8. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:21.2
9. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:25.3
10. G.ミュンステール(フォード・プーマ・ラリー1) +2:10.9