11月５日から始まるアイスホッケーのミラノ・コルティナ2026パラリンピック冬季競技大会最終予選（ノルウェー）は、日本代…
11月５日から始まるアイスホッケーのミラノ・コルティナ2026パラリンピック冬季競技大会最終予選（ノルウェー）は、日本代表にとって運命をかけた戦いだ。15年前に銀メダルを獲得した後、下降線をたどっていったチームは、４年前の最終予選は６位に沈み、北京2022パラリンピック冬季競技大会に出場できなかった。そんなチームを浮上に導くカギとなるのが、日本代表チームの中で存在感を増す同学年トリオだ。今、勢いに乗る３人が熱いトークを繰り広げた。
（いとう・いつき）｜フォワード
背番号10、2005年９月生まれの20歳。ロスパーダ関西所属
（うかい・しょうせい）｜フォワード
背番号23、2006年１月生まれの19歳。東海アイスアークス所属
（もりさき・あむ）｜フォワード
背番号17、2005年７月生まれの20歳。北海道ベアーズ所属
2021年にアイスホッケーを始めた天夢は、１年で代表になり、２年でレギュラーの座を勝ち取った天才です。スピードが武器だよね？
だけ、です。スピードだけ（笑）
祥生は……祥生と出会うまで俺が知らなかった岐阜県多治見市の……。
いうならば、田舎の出身です。
明治から続く老舗こんにゃく屋の長男として生まれた祥生は、ホッケーを引退したらこんにゃくを……。
そう、作ることが決まってます（笑）
祥生の長所は、パックキープとシュートだと思います。
同じ年の選手たちが入ってきて孤独じゃなくなった（編集注：チームには40～50代の選手も多い）。うれしかったです。
最初の２～３ヵ月はしゃべらなくて、次第に仲良くなった感じですね。
２人とも人見知りなんですよ。
心を開いてから、仲良くなるのは早かったです。
みんな明るくて元気です。
社会人だし、みんなしっかりしています。３人とも、ジムに行き、氷に乗り、ホッケーをするのが仕事です。
２人とも大きな大会でスタメンの経験がなかったので、すごく緊張している様子でした。祥生なんて顔面蒼白だったよな？
初戦の第１ピリオドは、焦りすぎて点が入りませんでした。なので、初戦が終わってから過去の自分のプレーの動画を観返して『俺はうまい』と言い聞かせました。
自己催眠してたよね。２人とも試合に出ることに慣れたと思うので、もう次は大丈夫だと思いますけど。
初戦は（決定機に）すごく走ったのに樹がパスをくれなかったんです。でも、その後、ゴールできたから、全部いい思い出です（笑）
天夢の代表公式戦初ゴール。しっかり決めてくれたよね。
結果は１ゴール、２アシスト。ゴールを決められたのはよかったんですけど、ライバル（祥生）にゴール数で負けたのが悔しくて。
祥生、何ゴールだった？
10ゴール。
天夢は祥生が点を決めたとき、ベンチで本当に悔しがっていたんですよ（笑）味方なのに。
最終予選では負けません！
勝ちます！
２人のライバル関係は冗談ですよ（笑）。チームみんなで力を合わせてミラノの切符をつかみたいと思います。
僕は、小学５年生からアンプティサッカーをやっているんですけど、アンプティサッカーはパラリンピック競技ではありません。アイスホッケーにはパラリンピックがあるから、アイスホッケーで上を目指したいと思うようになりました。絶対にパラリンピックに出場したいです。
パラリンピックはテレビで観てたものだから、いざ自分たちで切符を獲りにいくって面白いなと思います。
ゆくゆくは金メダルを獲りたい。その目標に一歩ずつ近づくために、今回はまずパラリンピックに行くことが目標。
絶対に出たい。
パラリンピックに出られないなんて考えられないです。行けたら天国、行けなかったら地獄。俺たちの４年間を無駄にしたくない。
結果は自ずとついてくるはず。やるだけです。
みんなで美味しい焼き肉を食べに行きたい！
１月の僕の20歳の誕生日を待ってもらって、飲みに行きたいです。
いいね、３人で。
パラ行きを決めて乾杯したいですね。
text by Asuka Senaga
photo by Hiroaki Yoda
