短期連載〜消えたハリマヤシューズを探して(4)

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 はるか昔、1912年のストックホルム五輪に出場するため、駆け足自慢の学生・金栗四三(かなぐり しそう)と東京・大塚の足袋屋「ハリマヤ」の職人・黒坂辛作(くろさか しんさく)は、創意工夫を重ねてマラソン用の足袋を作り上げる。それは、あたかもテレビドラマ『陸王』(原作・池井戸潤)で足袋業者がスポーツシューズの世界に打って出るストーリーを先取りするかのような、日本男児の壮大なチャレンジだった。

 ストックホルム五輪のマラソンで完走できなかった苦い経験から、帰国後の金栗は辛作とともにマラソン足袋の改良にとりかかり、その努力はハリマヤの「金栗足袋」へと結実する。そして同時に金栗が立てたもうひとつの誓いがあった。それは、世界に通用するマラソン選手を育成することだった──。



「若き日の雄姿」と題された箱根駅伝ミュージアムの展示

ドラマの原作、ランニングシューズ開発への挑戦を描く
池井戸潤の小説『陸王』の>