WRC最終戦ラリーサウジアラビア(グラベル)は11月26日、拠点となるジェッダ近郊で開幕ステージとなるスーパーSS1本の…
WRC最終戦ラリーサウジアラビア(グラベル)は11月26日、拠点となるジェッダ近郊で開幕ステージとなるスーパーSS1本の走行が行われ、3人がドライバーズタイトルのチャンスを残しているトヨタはセバスチャン・オジエが2番手タイムをマークした。同じくタイトルを争うエルフィン・エバンスは5番手、カッレ・ロバンペラは6番手で続いた。さらにサミ・パヤリが7番手、勝田貴元は9番手につけた。
(以下、チームリリース)
WRC 第14戦ラリー・サウジアラビア デイ1
2025年WRC最終戦「ラリー・サウジアラビア」がスタート
オープニングステージを終えてオジエが総合2位につける
11月26日(水)、2025年FIA世界ラリー選手権(WRC)第14戦「ラリー・サウジアラビア」が開幕。デイ1としてサウジアラビアのジッダ近郊でSSS1が行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)のセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(GR YARIS Rally1 17号車)が総合2位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車) が総合5位に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が総合6位に、TGR-WRT2からエントリーのサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)が総合7位に、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が総合9位につけました。

2025年のWRCもいよいよ最終戦。WRC初開催となるラリー・サウジアラビアは、ドライバーズおよびコ・ドライバーズ・タイトルが決定する一戦となります。第13戦ラリー・ジャパンが終了した時点ではエバンスがドライバー選手権をリードし、それを選手権2位のオジエが3ポイント差で、選手権3位のロバンペラが24ポイント差で追う展開。彼らTGR-WRTの3人のドライバーが戴冠の権利を有する状況で、ラリー・サウジアラビアは競技初日を迎えました。

金曜日と土曜日が休日となるサウジアラビアは、他のWRCイベントと異なり土曜日がラリー最終日となります。そのためラリーの開始は通常より一日早く、26日の水曜日から走行がスタート。午前11時過ぎからシェイクダウンが、午後8時35分からオープニングステージであるSSS1がスタートしました。最終日のSS15/17と一部が重なる4.29kmのシェイクダウンでは、今回がWRC最後の戦いとなるロバンペラが最速タイムをマーク。0.5秒差で勝田が2番手タイムを、1秒差でエバンスが3番手タイムを、2.4秒差でパヤリが7番手タイムを、3.5秒差でオジエが9番手タイムをマークしました。

その後、ジッダ中心部に置かれたサービスパークでのセレモニアルスタートに続き、サービスパークの通りを挟んだ向かい側の広場で5.22kmのターマック(舗装路)ステージ、SSS1「ジャミール・モータースポーツ・スーパースペシャル1」がスタート。2台同時走行のこのオープニングステージをオジエは2番手タイム、エバンスは5番手タイム、ロバンペラは6番手タイム、パヤリは7番手タイム、勝田は9番手タイムで走破。TGR-WRTの全ドライバーが順調に競技初日のデイ1を走り終えました。

ユハ・カンクネン (チーム代表代行)
初めて訪れたサウジアラビアを興味深く感じています。全てのドライバーにとって新しいイベントですし、レッキを終えた我々の選手たちによると、ステージは間違いなく過酷なものになりそうです。通常、彼らはほぼ全開で走行しますが、今回はケニアやギリシャのように異なるアプローチが必要になるかもしれません。エルフィン、セブ、カッレはいずれも非常に経験豊富なドライバーですし、自分たちが果たすべき役割を理解しています。我々チームは、彼らに強力なマシンを提供するために最善を尽くしてきましたので、皆が楽しめるエキサイティングな戦いになることを願っています。
エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
ペースノートをすべて最初から記し、それを正確なものにしようとしてきたので、ラリーウィークはイベントが始まる前から多忙でしたが、ラリーがスタートして嬉しく思います。ステージは非常に岩が多くミスがほとんど許されないため、間違いなくチャレンジングです。そして、シェイクダウンの最初の走行時から、グリップレベルはかなり低くなりそうだと思いました。多くのクルマが走るにつれて路面コンディションは良くなっていくため、明日、最初にステージに臨む私たちにとって容易ではないでしょう。それでも、すべてはまったくの未知数ですし、何が起こってもおかしくないので、他のラリーと同じように自分たちの仕事に集中して取り組み、その結果を待つのみです。
カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 69号車)
新しいラリーのスタートはいつだってエキサイティングですし、ファンの皆さんに良い戦いを見せたいと思っています。自分とヨンネにとっては感慨深い一戦になるでしょうが、この最後のラリーをできる限り楽しむつもりです。ステージは荒れていますし、ルーズな石も多く転がっているので、決して楽なラリーにはならないでしょう。それでもできる限り最高の形でフィニッシュしたいと思います。今晩の最初のステージはドライビングに関してあまり満足できなかったですが、明日のグラベルでは好転することを願っています。
セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 17号車)

一年を締めくくるこのラリーが始まったことを嬉しく思いますが、本当の戦いは明日からです。完全に新しいラリーに臨むための準備は容易ではありませんでしたし、間違いなく全員にとってタフなチャレンジになるでしょう。ステージは多くの岩があるなど荒れているので、異なるアプローチが必要ですし、賢く走りトラブルを避けなければなりません。可能な限り最善と思える準備をしてきたので。自分たちができる最高のドライビングに集中するだけです。
勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)
サウジアラビアを訪れ、このラリーを初めてスタートすることができて嬉しく思います。多くの人がラリーに興味を持ってくれていますし、ここまでのところ良い雰囲気です。レッキでは様々なタイプのステージを見てきました。岩が多いステージはギリシャを少し思い出させませたし、非常に柔らかい砂のステージはケニアを彷彿とさせます。適切なセッティングとフィーリングを見つけるのは容易ではなく、シェイクダウンの道もかなり滑りやすかったので、きっと厳しい戦いになると思いますが、良い結果を得るために全力を尽くします。
サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)
最初のステージでアドリアン(フォルモー)との直接対決に勝つことができて良かったです。なぜならスタート前に彼と、今週末の結果によって、来シーズン初戦のスタート順が決まるぞと、冗談交じりで話していたからです。既にレッキでは、このラリーの特徴を掴むために忙しい日々を過ごしてきました。高速で流れるようなコーナーが続く良さそうなセクションもあれば、非常にトリッキーで曲がりくねった岩の多いセクションもありました。サバイバル的な要素もあるラリーですが、あまりにも遅く走るのは避けたいところです。
ラリー・サウジアラビア デイ1の結果
1 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1) 3m53.3s
2 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1) +1.2s
3 マールティンシュ・セスクス/レナールス・フランシス (フォード Puma Rally1) +1.6s
4 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1) +2.0s
5 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +2.1s
6 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +2.5s
7 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +2.6s
8 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (ヒョンデ i20 N Rally1) +2.9s
9 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +3.6s
10 グレゴワール・ミュンスター/ルイス・ルッカ (フォード Puma Rally1) +4.8s
(現地時間11月26日21時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
明日のステージ情報
競技2日目となる27日(木)のデイ2は、いよいよグラベル路面での本格的な戦いがスタート。サービスパークの北側エリアで3本のステージを、ジッダでのミッドデイサービスを挟んで各2回走行。そのうちデイ2最長となる20.12kmのSS3/6「ムーン・ステージ」は、広大な溶岩地帯の中の大きな岩に囲まれた道を走行するステージです。そして、一日の終わりには、SSS1の再走ステージをSSS8として走ります。7本のステージの合計距離は106.84km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は563.43kmとなります。
