PGAツアーの2025年シーズンでは35人のゴルファーがトロフィーを掲げた。優勝者を予測するのが難しかったこの1年、依…
PGAツアーの2025年シーズンでは35人のゴルファーがトロフィーを掲げた。優勝者を予測するのが難しかったこの1年、依然として際立つ存在がマレット型パターである。
46大会を制した47人の優勝者(チューリッヒクラシックはチーム戦)のうち、驚くべきことに35人がマレット型パターで優勝し、ブレード型(ピン型)パターで勝ったのは12人のみだった。ちなみに、ブレード型を使用した直近の優勝者は、7月にスコッティキャメロン ニューポート2ツアープロトタイプで「3Mオープン」を制したカート・キタヤマとなる。
マレット型優位を示す数字は、それだけに留まらない。ベン・グリフィンがシーズン終盤にパター変更を行ったことにより、現在世界ゴルフランキングでトップ10入りしている全選手がマレット型パターを使用する結果となった。
「ワールドワイドテクノジー選手権」で優勝したグリフィンは、「実のところ、今季はスタッツを気にして見ていた。僕はストロークゲインド・パッティングで19位だったけれど、ツアーにおけるブレード型の使い手では(その当時)最上位だったはず。僕より上位だった選手は皆、ブレードからマレットへ乗り換えていた。マレット型を使ったら果たしてどうなるだろうと考えて、試してみるのにちょうど良いと思ったんだ」と述べていた。
確かに、グリフィンは今季3勝目を挙げて良い週だった。シーズン3勝以上を挙げた選手は他にスコッティ・シェフラー、ロリー・マキロイ(北アイルランド)しかいない。それにしても、ブレード型にはなかったマレット型パターのメリットとは何だろうか?
テーラーメイドのパター専門とするツアーレップであり、世界でトップ10入りしている選手のうち5人を担当しているジェイムズ・ホーリーはPGATOUR.COMに「彼は少し打ち出し角を上げつつ、スピードを安定させるため、重心位置の違いによって寛容性が高いマレット型を求めたのです」と述べた。
重心位置から重量を遠ざけて配置し、MOI(慣性モーメント)を上げて寛容性を高めるためにはヘッドが大型でなければならない。これは、スタイル、形状、そしてサイズに制限のあるブレード型では、実現がより困難なものとなる。「(マレット型は)色々な形状で対応することが可能です。ブレードはブレード型1種類というか、カーステン(ソルハイム)が最初にピンのパターを作った時から、ブレードはずっとお決まりの形のままなのです」とホーリー。
グリフィンはブレード型からテーラーメイド「スパイダー ツアーV」へと乗り換えた。これは世界のトップ10のうち5人が使用しているパタースタイルである。世界ランキング4位のトミー・フリートウッド(イングランド)も2025年に同じ道のりを辿り、ツアーでの大躍進を果たすとともにフェデックスカップ王者となった。しかし、マレット型パターはフリートウッドに別の利点をもたらしたという。
「トミー(フリートウッド)にとって、マレット型で大きな利点となったのは、興味深いことに、その大きな接地面積でした。マレット型の方が、地面に対してより安定してソールできたのです。より大きな接地面積により、平らな部分が増え、彼は毎週より簡単にセットアップを決めることができるようになったのです」
2024年にシェフラーがキャリアを変える決断を下し、ブレード型からマレット型への切り替えを敢行した際、寛容性やヘッドの単純さはそれほど重要ではなく(実際にテーラーメイドのチームは、Lネックのホーゼルを使用しつつ、ブレード型パターによるスイング特性を再現しようと試みている)、すべてはアライメントを整える目的だった。
シェフラーは2024年「ザ・プレーヤーズ選手権」での優勝を前に、「このスパイダーは、本当に狙いに対して構えやすいんだ。ボールの線を使わなくて良い。このパターはとても良くラインに合わせられるし、ラインをフェースの中央に合わせれば、それだけで済むほどシンプルなんだ」と変更した理由を明かした。ブレード型に比べて大型化したこと。その形状により、シェフラーはボールに引いた線を使用する代わりに、パターそのものの天辺にある一際目立つサイトラインを使用することができるようになったのである。
世界最高峰のゴルファーのリストを眺めると、ブレード型のパターを使用する選手の最高位にはルドビク・オーベリ(スウェーデン)がつける。オデッセイ ホワイトホット バーサ#1を使用しており、今年はストロークゲインド・パッティングを86位として終えたが、それは必ずしもブレード型パターがPGAツアーで好成績を収められないということを意味するわけではない。同じくオデッセイの#1(よりワイドなOワークス1W)を使用するハリー・ホール(イングランド)は、2025年のツアーにおいて、トータルパッティング、平均パッティング、さらには1ラウンドあたりのパット数で1位に入っている。
パターの名手になるための秘訣について訊かれたホールは、即座に「それは秘密にしておくよ」と答えた。彼が秘密を明かさない限り、将来的にツアーでブレード型パターを見かける機会は減る一方となるかもしれない。
(協力/ GolfWRX、PGATOUR.com)