サッカーJ1ファジアーノ岡山で最年長のGK金山隼樹(じゅんき)(37)が今季で引退する。15年間の現役生活の多くを控え…

 サッカーJ1ファジアーノ岡山で最年長のGK金山隼樹(じゅんき)(37)が今季で引退する。15年間の現役生活の多くを控えで過ごし、ここ2年は公式戦出場がない。それでも再びJ1のピッチに立つことは諦めず、残り2試合に全力を尽くす。

 島根県平田市(現出雲市)出身。サッカーは小学1年生で始めたが「ずっとヘタでした」。「第2GKになるなら遠征に連れていく」と言われ、手を挙げた。

 中学卒業後、サンフレッチェ広島ユースに加入したが、レベルの差にショックを受けた。「休んでいる場合じゃないと、1年365日ずっと練習していました」と振り返る。

 それでもトップチームには上がれず、進学した立命館大でもほとんど試合に出られなかった。卒業を控えてセレクションを渡り歩き、10チーム目のV・ファーレン長崎(当時JFL)に加入した。

 下積みの成果はJ2昇格1年目の2013年に花開いた。「広島や大学でやってきたことが全部つながった感じ」。コンサドーレ札幌に引き抜かれ、17年にはJ1で2試合に出場。翌年、ファジアーノへ移籍した。

 ファジアーノは「みんながチームのために動く」と感じた。選手が入れ替わるたび、その「DNA」を伝える役割を自ら担い、気づけば8年目。最古参になっていた。

 昨季はプロ入り後初めて公式戦に出られず、今季も出場ゼロ。それでも練習場で声と体を張り、後輩に「最もファジアーノらしい人」と慕われる。

 日本代表MF佐藤龍之介(19)は「誰よりも準備し、背中で引っ張ってくれた」。FW木村太哉(27)は「嫌われても言わなきゃいけないことを言う役割を買って出て、勤勉で真面目な岡山らしさを構築した。J1昇格になくてはならなかった存在」という。

 チームはJ1残留を決め、30日の浦和レッズ戦がホーム最終戦となる。金山は「最後まで自分らしく、全力で他人の背中を押せる人間でありたい」と語った。(大野宏)