日本相撲協会は26日、大相撲初場所(来年1月11日初日・両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会を福岡国際センターで開き…

 日本相撲協会は26日、大相撲初場所(来年1月11日初日・両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会を福岡国際センターで開き、関脇安青錦(21)=安治川=の大関昇進を満場一致で決めた。ウクライナ出身初の大関となる安青錦は、安治川部屋の宿舎がある福岡県久留米市で昇進伝達式に臨み「さらに上を目指して精進いたします」とシンプルな口上を述べた。新十両昇進は日大出身の一意(かずま=24)=本名・川渕一意、大阪府出身、木瀬=と出羽ノ龍(24)=本名トムルバートル・テムレン、モンゴル出身、出羽海=の二人。

 シンプルで分かりやすい口上だった。安青錦は緊張した様子ながら、丁寧に「謹んでお受けします。大関の名に恥じぬよう、またさらに上を目指して精進いたします。本日は誠にありがとうございます」と話した。

 定番の四字熟語はない。平易ながら、横綱を目指す決意が込められた。大関琴桜、優勝決定戦で横綱豊昇龍を連破した23日の千秋楽の夜、師匠の安治川親方(元関脇安美錦)から「自分で考えろ」と指令されたが、翌24日夜に師弟で「5分くらい」(同親方)かけて口上を決めたという。

 前日に猛練習したという安青錦。注目された口上を「自分が100%理解できる言葉でしゃべりたかった。何か難しいことを言っても、100%理解できないものは自分には合わない。シンプルで完全に理解できる言葉にした」と振り返った。

 親方は「しっかり覚悟を決めて、さらに上を目指す意味では、いい口上だった」と目を細めた。四股、すり足など基礎を重視して成長。「基礎をしっかり毎日やるのは大変で退屈。我慢して続けてきた」と評価した。派手ではない口上も、安青錦らしさだった。

 ウクライナ出身で初の大関は、1958年の年6場所制定着以降、所要14場所は史上最速(付け出しを除く)の昇進。21歳8カ月は歴代4位の若年記録だ。初場所では2006年夏場所の白鵬以来9人目の新大関優勝を狙う。

 新関脇優勝で昇進は双葉山以来2人目だが「自分とは比べものにならない。大横綱と比べちゃダメです」と浮つく様子はなし。「朝が起きづらくなったり、サボりたい気持ちに多分なると思うので、目標に向けて頑張っていきたい」と己を律した。