大リーグ・ドジャースの大谷翔平(31)が25日(日本時間26日)、日本の報道陣によるオンライン取材に応じた。出場の意向…

 大リーグ・ドジャースの大谷翔平(31)が25日(日本時間26日)、日本の報道陣によるオンライン取材に応じた。出場の意向を表明した、来春開催の「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)への思いや、メディアとの付き合い方について語った。

 主なやり取りは以下の通り。

 ――WBCへの参加を希望した理由は。

 「ずっと出たいと思っていました」

 「前回大会で初めて出場しましたけど、それまでも(出場)したいなという気持ちとは裏腹に、タイミングで出場できていませんでした」

 「前回初めて出場して、やっぱり素晴らしい大会でしたし、前回以上に来年のWBCも素晴らしくなるんじゃないかと思うので、選ばれること自体光栄で楽しみです」

 ――日本代表・侍ジャパン(J)で、どんな役割を担っていきたいか。打者だけでなく、投手として登板する可能性もあるのか。

 「起用法についてはまだ分からないというか、(ドジャースと侍Jの)どちらともコミュニケーションを取らないといけないので」

 「どの程度できるかは別として、何通りかプランを持っておくべきだと思います。投げるパターンも投げないパターンも、何通りか。ドジャースと話しながら、どういう感じで入っていけばいいかを選んでいけばいいと思っています」

 ――前回のWBCからワールドシリーズ(WS)連覇を達成したり、本塁打王のタイトルをさらに獲得したりと経験を積んだ。WBCに挑むうえでの心境の変化は?

 「前回は初めての出場だったので、優勝したか、しないかに関係なく、どういう感じなのかなっていうのが全然わからなかった」

 「今回はある程度スケジュールがどういう流れになるのかっていうのは理解しているので、入りやすさはあるのかなと思います」

 ――改めてWBCは大谷選手にとってどんな大会か。

 「アメリカだけじゃなくて各チーム素晴らしく、素晴らしい選手も多い。そのなかで、日本を代表していろんな選手とやれるっていうのはまた違う経験だとは思うので、WSとは別の大きい大会の一つとして、今もそうですし、今後も重要になってくると思っています」

 ――いまの日本のプロ野球で活躍している選手などの動向は知っているか。

 「中継映像をあまり見ないので、誰が活躍してるとかっていうのは正直全くわからないです」

 「いま(プロ野球で)活躍しているのが、どういうレベルの選手なのか、想像とどういう風に違うのかが(WBCで)楽しみではあります」

 ――30代で迎えるWBC。若い選手にアドバイスをするとしたら?

 「なんですかね。僕は色々けがしちゃいましたけど、やっぱ健康でプレーするのが一番」

 「かといって、安全に行ってたら(能力が)伸びるものも伸びないとは思うので、どれぐらいギリギリを攻めれるかっていうのが大事かなとは思います」

 ――7月の球宴で、報復死球を当ててきたパドレスのスアレス投手に対して自ら歩み寄るシーンがあった。どういう気持ちから、そういう行動を取ったのか。

 「もう昔のことなので全部忘れました」

 ――WS連覇を達成した後すぐに3連覇へと気持ちが向いたのは、意識的に気持ちを切り替えているのか、自然と切り替わったのか。

 「自然ですね。(WS連覇も)終わったことではあるので、もちろん勝利をかみしめるということとはまた別のことではありますけどね」

 ――今季は投手として自己最速の球速も計測した。自身の投手としての伸びしろや、キャリアのピークについてはどう考えているか。

 「今年に関しては、『リハビリが終わった』という感覚。手術前の感覚に近いかと言われると、まだなんじゃないかなとは思うので、それ以上のパフォーマンスが出せる準備をキャンプの時からやっていければと思います」

 「トレーニングの反応的にも、体は今がピークあたりなのかなと思っているので、このオフシーズンの過ごし方次第で、どこまで持っていけるのかが変わると思っています」

 ――以前、野球の技術的な「ひらめき」をみつけることが楽しいと言っていたが、今季の一番の「ひらめき」は何だったか

 「打撃の方では、一つということは今は言えないですけど、本当にたくさんのことがありました」

 「投球では、リハビリを完了できたことが、『ひらめき』というより安心材料として大きな一歩だったと思っています」

 ――投球フォームをノーワインドアップにした経緯は。

 「トミー・ジョン手術明けは、そもそも細かい制球力っていうのがちょっと低下する傾向があることを1回目の手術の時も感じていましたし、リハビリの過程の中でも感じていました」

 「それなら、楽に投げる方にシフトする方が今年はいいんじゃないかと思って、ノーワインドアップにしていたのが始まりですね」

 ――ポストシーズン(PS)で打撃不振に陥ったとき、投打「二刀流」の影響を指摘されたなかでリーグ優勝決定シリーズの3本塁打、10奪三振の大活躍があった。大谷選手の中で、ネガティブなことを言われたときに反骨心に変えている?

 「うーん。そもそもメディアの人にマイナスなこと言われてもあまり気にならないと言いますか。聞き流すではないですけど、自分が理解していればいいとは思うので」

 「すごく反発したくなることもないですし、すごく賛同したくなる気持ちにもならない」

 「聞かれたことにはもちろん答えますけど、深いところで何が必要なのか、何が足りてないのかっていう理解は自分の中でできてればいいというのが根底にあります」

 「その時も、あんまり自分の中で何かを言われたから変わったということはないかなと思っています」(安藤仙一朗)