大相撲九州場所で初優勝を果たし、12勝3敗で大関昇進を確実にした関脇安青錦(21)=安治川=が千秋楽から一夜明けた24…
大相撲九州場所で初優勝を果たし、12勝3敗で大関昇進を確実にした関脇安青錦(21)=安治川=が千秋楽から一夜明けた24日、福岡・久留米市の部屋宿舎で会見。優勝の喜びを語るとともに、26日の大関昇進伝達式の口上に思いをはせ、師匠・安治川親方(元関脇安美錦)からの「自分で考えろ」指令に苦笑した。
朝5時まで眠れなかったという安青錦。「優勝したい気持ちはあったけど、優勝できると思っていなかったので、すごくうれしかった。今日起きて実感がわいてきた」と疲れを見せなかった。
千秋楽は本割で大関琴桜、優勝決定戦で横綱豊昇龍を連破。ウクライナ出身で初、所要14場所は年6場所制となった1958年以降初土俵で歴代2位の速さ(付け出し除く)だった。
師匠の安治川親方に「優勝して一番に報告したかった人。自分はこれからなんですけど、1つ恩返しができてうれしかった」と感謝。ドイツで暮らす両親にも「おかげさまで優勝できました、と言いました。お母さんは泣いていた。お父さんも泣いていたらしいけど、自分には見せなかった」と振り返った。
26日の臨時理事会で大関昇進が決定し、昇進伝達式で口上を述べる。「いろんな映像を見たけれど、全然考えていない。場所前は昇進を意識していなかったので、これから何を言おうか考えたい」と語った。師匠からは前日に「自分で考えろ」と言い渡されたという。
大関昇進時の口上では大の里の「唯一無二」、豊昇龍の「気魄一閃」、高安の「正々堂々」、正代の「至誠一貫」など、四字熟語を盛り込むことが定番となっている。
安青錦は「自分だったら『頑張ります』しか出ない。これよりいい言葉があると思うので」と思案顔。師匠に改めて相談するが「本当に昨日の通り『自分で考えろ』と言われたら調べるしかない」と苦笑いを浮かべた。
ある意味、師匠からの信頼の大きさを物語る話だが「うれしいというよりは…手伝ってほしいです」と本音も漏らした。