◇国内女子◇大王製紙エリエールレディスオープン 最終日(23日)◇エリエールGC松山(愛媛県)◇6595yd(パー71…

圧巻のサンデーバックナインで逃げ切ったウー・チャイェン

◇国内女子◇大王製紙エリエールレディスオープン 最終日(23日)◇エリエールGC松山(愛媛県)◇6595yd(パー71)◇晴れ(観衆4014人)

圧巻のサンデーバックナインだった。昨年「ゴルフ5レディス」以来の最終日最終組で、2打リードの首位から出たウー・チャイェン(台湾)は前半4番で1m弱を決めきれずに3パットのボギーを喫した。「トップからスタートするのも日本のレギュラーツアーでは初めて。緊張ありました」というが、後半で見事に抜け出した。

首位並走していた同組の木戸愛が9番でダブルボギーを喫し、同じく同組で年間女王の佐久間朱莉に1打差まで迫られて迎えた10番で117ydから3mにつけてバーディを奪取。11番(パー5)は23ydを58度のウェッジでピンそばにつけ、12番は145ydから8Iで1mにつけて3連続バーディを決めた。重圧が増す終盤も14番、17番(パー5)でともに3mを沈めて、インで5つ伸ばす「67」。後続を3打突き放して初優勝のゴールを迎えた。

日本のグリーンに慣れる時間が必要だった

2022年度のプロテストに一発合格して台湾ツアーから日本ツアーへ。台湾では、日本ツアー58勝(入会前13勝除く)というレジェンド・ト阿玉の指導を受け、来日初年度の23年には下部ステップアップツアーで3勝して賞金ランキング1位に。昨年はレギュラーツアーでトップ10に3度。「硬くて重たい台湾のグリーンと日本はちょっと違う。硬いグリーンは好きでも、速いグリーンが苦手でタッチが合わなかった」と環境慣れに時間がかかった。また「台湾は試合が多くなくて、毎週のように試合をやるのも初めてで。体力が一番足りない部分」と言い、基礎体力をつけてこの日にたどり着いた。

優勝して初めて泣いた

優勝が決まって泣いたのは人生で初めてだ。「優勝の時に泣く選手を見て『なんで泣くんだろう。自分は絶対に泣かないだろう』ってずっと思っていたけど、(ウィニングパットが)入った瞬間にキャディさんと目が合って。涙が出てきた。自分でも初めて。感動というか、初めての気持ちだった」と歓喜の瞬間を振り返った。

将来は日本の年間女王に

来日後も台湾の大学に通い続ける21歳は通訳なしで取材に対応する。「日本は食べ物が美味しいし、みんな優しいのですごく好き。楽しめている」という親日家は、日本語を「最初はオンラインの先生に教わりながら。日本に来て選手と友達になったり、キャディさんと話してたくさん教えてもらった」と時間をかけて習得した。21歳の努力家は今後の目標に「日本の賞金女王(年間女王)」を掲げた。 (愛媛県松山市/石井操)