近鉄、中日、西武で活躍した金村義明さんに18年間の現役時代を振り返ってもらいながら、当時のチームメイトや対戦相手から、パ…
近鉄、中日、西武で活躍した金村義明さんに18年間の現役時代を振り返ってもらいながら、当時のチームメイトや対戦相手から、パ・リーグに絞ってベストナインを選んでもらった。全2回の前編では、西武に入団してきた、当時18歳の松坂大輔とのエピソードも。(聞き手・ますだおかだ岡田圭右さん)
【松坂大輔の初ブルペンを体験】
岡田圭右(以下、岡田) 金村さんが考えるパ・リーグのベストナインを教えてください。(※対象は金村さんの現役時代の選手のみ)
金村義明(以下、金村) 当時はすごい選手ばっかりでしたけど、これは簡単ですよ。
岡田 多少迷うポジションもあるでしょ。
金村 いや、意外と簡単。
岡田 それは生で見て、対戦したという経験があるからですかね。
金村 そうそう。僕は入団してから2年目、3年目までは、(一軍と二軍を)行ったり来たりの選手でしたけど、江夏豊さん(当時日本ハム)とか東尾修さん(西武)とも対戦がありましたね。
岡田 では、まずピッチャーからいきますか。
金村 黄金期の西武のピッチャーはみんないいよね。(精度の上がった)今のスピードガンだったら、みんな150キロ以上出ていると思う。
岡田 先発はひとりに絞るのが難しいですよね?
金村 各チームに大エースがいたもんな。阪急は山田久志さん。近鉄は鈴木啓示さん。ロッテの村田兆治さん。西武の渡辺久信、郭泰源......。
岡田 難しいよ、やっぱり(笑)。
金村 ピッチャーは難しいね。先発は郭泰源かな。(下位打線の)僕と対戦するときは(力を)抜いて投げるからね。それで、西武に移籍した時に泰源に聞いたもん、「俺と対戦の時どうやった」って。そうしたら「ランナーが出た時だけピュっと放るのよ。それでゲッツー」だって。
岡田 郭泰源はすごかったね。
金村 あとは僕が一緒にプレーしたなかで言えば、松坂大輔(西武)やな。イチロー(オリックス)との初対決を生で見てたから。最初から3打席三振で、試合後の囲み取材での「自信が確信に変わりました」も、後ろで囲んで聞いてたんや。「おぉ!大輔!」って盛り上がって。
岡田 普通のおっさんファンやん(笑)。
金村 あのイチローが見逃し三振。当てにいっても当たらなかった。でも、そのあとの対決(三度目の対戦となった試合)でイチローは松坂からホームランを打ったんだよね。すごいよね、あのふたりは。
岡田 その初年度の松坂投手もよかったけど、あえて郭泰源。
金村 いや、松坂やな、やっぱり。松坂に変えるわ。一緒にやってたから情が入るやんか。俺が甲子園で投げている頃に生まれた子やで。
岡田 そうやな。
金村 入団後最初の自主トレの時、松坂は俺のところに走って挨拶に来てくれたんよ。(東尾)監督に「金村おるから。すぐ行けよ」と言われたみたい。それで「大ちゃん、僕のこと知ってるの?」って。
岡田 プロに入りたての子に「大ちゃん僕のこと知ってるの?」って......。いかつい金村はどこ行ったんや(笑)。
金村 (その頃の僕は選手として)落ち込んでいるやんか。だから、この若い子に優勝旅行連れ行ってもらおうって(笑)。
「横浜高校には過去の甲子園のビデオが置いてありました」って言っていて、それ見て「(甲子園で)2打席連続で(ホームラン)打ちましたよね」とか知ってたんや。東京ドームでのデビュー戦もすごかったよ。ブルペンのキャッチャーは中嶋聡さんで、マスコミもすごく多い。だから、大ちゃんの初ブルペンのバッターボックスに入りに行ったんや。
岡田 なんで行くねん(笑)。
金村 カメラ多いし、全国放送やし(笑)。でも、びっくりするぐらい速かった。これが18歳のボールかと思って、「うわぉ!」って言うてもうて(笑)。
岡田 かっこ悪い姿が全国ネットに(笑)。
金村 (ブルペンであれだけすごいのに)松坂は先発して、7回ぐらいからもう1段階ギアを上げるからね。
【今と違う中継ぎの扱い】
岡田 続いて中継ぎはどうします?
金村 潮崎哲也とか杉山賢人もよかったなあ。もう西武のピッチャーばっかり出てくるわ。
岡田 今ほど中継ぎってポジションが確立されていなかったよね。
金村 当時はホールドポイント(HP)もない。近鉄の中継ぎ投手なんか、ノートに投げた球数を書いて契約更改(の席)に持って行ってたもんな。「そんなん持ってくるな。投げるのが仕事じゃ」って言われてたな。
岡田 かわいそうに。
金村 「中継ぎが嫌やったら、力をつけて先発にならんかい」みたいな感じやったね。でも、近鉄の石本貴昭がおった。中継ぎから最後まで投げてたよね。最多勝を獲りそうなこともあったわ。
岡田 抑えはどうします?
金村 赤堀元之(近鉄)かな。今はくふうハヤテベンチャーズ静岡で監督をやってるよね。
岡田 キャッチャーは?
金村 やっぱり、強さで言ったら西武の伊東勤さんかな。
岡田 西武黄金時代ですね。
金村 体が強かったもんな。
岡田 キャッチャーは今と違って、ちょっと泥臭いというか、そんな感じやね。
金村 キャッチャーは2割そこそこ打てればいいって時代だった。そのなかで一番シュッとしていたのは伊東さんだったと思う。(プロ入りの)同期やねん。年齢は伊東さんが1個上やけど。
岡田 近代的キャッチャーのモデルになったよね。じゃあ次はファーストにいこう。
金村 ファースト。清原和博かな。(実力が)抜けてるね、清原だけ。
岡田 やっぱり清原さんはすごいな。
金村 近鉄も清原を指名してんねん。俺がやっとレギュラーつかみかけた時だったから、「なんで指名しようとすんねん」ってもう泣きそうになったもん。「外れてくれ」って願ってた(笑)。
岡田 清原さんが来たら、ポジション奪われる危機感があったんだ。
金村 だって、僕らは藤井寺球場で練習してたんやけど、大阪大会でPL学園が試合をする時は、室内練習になるのよ。室内練習言うても、スタンド下の半地下みたいなところを走ってるだけ。だから、『ビルマの竪琴』みたいに柵越し(清原を)見てたんや。「出してくれや」言うて(笑)。
岡田 何を言ってんねん(笑)。じゃあ、セカンドをお願いします。
金村 辻発彦さんもうまかったけど......ほかは誰がおったかな。
岡田 最初は「簡単や」言うてたけど、ほぼ忘れてるやん(笑)。
金村 最初、落合博満さん(当時ロッテ)はセカンドやったで。落合さんも最初は体が細かったよね。
岡田 セカンドは落合さんにしましょう。
【Profile】
金村義明(かねむら・よしあき)/1963年8月27日 兵庫県宝塚市出身。現役時代はNPBのオールスターゲームと公式戦でのサイクルヒットなど数々の記録を残した。現在は野球解説者、野球評論家、タレントとして活躍。2017年12月からは兵庫県高砂市観光交流ビューローからの委嘱によって「高砂応援大使」を務めている。
後編に続く>>>懐かしの名選手がズラリ 金村義明が選ぶパ・リーグベストナインが完成