プロ野球はシーズンオフに入って各球団がFA選手や自由契約選手の獲得や、育成契約選手の更新などを盛んに行っています。来季、…
プロ野球はシーズンオフに入って各球団がFA選手や自由契約選手の獲得や、育成契約選手の更新などを盛んに行っています。来季、育成から支配下復帰した選手の中でブレイクを期待したい選手がいます。5年目を迎える右のサイドハンド・DeNAの深沢 鳳介投手です。
専大松戸出身の深沢投手は2021年春夏に甲子園出場。最速145キロを誇るエースとして活躍しました。公式戦で8完封を記録するなど、多くの好投手を輩出した専大松戸の投手の中でも完成度はピカイチな投手でした。速球、変化球を巧みに投げ分け、奥行きのある投球術であっという間に完封勝利を上げる姿が印象的でした。
3年春から一気にプロ注目投手に
高校2年秋に台頭した深沢投手。秋は県大会、関東大会では4完封を成し遂げていますが、まだ135キロ前後ほどでした。関東大会準決勝では強力打線を誇る健大高崎と対戦し、5回を投げ被安打10、6失点と滅多打ちを食らう結果となりました。まだ強力打線を抑えるほどのボールの威力はありませんでした。
センバツでは中京大中京と対戦し、8回2失点の力投。ひと冬を越えて常時130キロ台後半・最速143キロの速球を投げられるようになり、かなり力強くなっていました。何よりしなやかな腕の振りをしており、まだまだ速くなる予感がしました。
センバツ後の春季千葉県大会では控え投手の育成もあり、あまり登板はありませんでしたが、140キロを超えるボールも多くなっていました。
山梨で行われた春季関東大会ではより進化した姿を見せてくれました。駿台甲府戦では、常時130キロ台後半の速球を両サイドに投げ分け、さらに90キロ台のスローカーブを織り交ぜていました。120キロ台前半のスライダー、ツーシームも使い、6安打完封を成し遂げました。
試合後、深沢投手は「100キロのカーブを90キロ台まで落とした」ろ明かしました。カーブの球速を落とすことで、常時130キロ台後半の速球をより速く見せることができます。
専大松戸の持丸修一監督は深沢投手を絶賛していました。
「あの子は素直でしっかりと聞く耳を持っている。考えて投球を組み立てできる投手ですし、コントロール、投球について何も言うことがない投手ですね」
当時の専大松戸は打線も強力で、春季関東大会優勝。優勝候補として迎えた夏の千葉大会初戦・西武台千葉戦では完封勝利をあげます。速球、変化球の投げ分け、ストライク先行能力が明らかに抜けていました。進んだ決勝戦では木更津総合との激戦を制して、甲子園出場を決めました。
夏の甲子園ではいきなりセンバツ準優勝の明豊と対戦した専大松戸。この試合、深沢投手は春から磨きをかけてきたカーブで11奪三振6安打完封勝利を成し遂げ、大きく評価を高めました。試合後の取材で深沢投手は、「春の中京大中京戦の負けがあったからこそ成長できたと思います」と喜びました。
春、夏の大会の活躍で自信を深めた深沢投手は大学進学を薦める声もありながらも、高卒プロ志望を決断。21年のドラフトでDeNAから5位指名を受けました。
プロ入り後も順調に成長を続けた深沢投手。高卒2年目には二軍のローテーション入りを果たし、6勝6敗、防御率3.28。93.1回を投げ、68奪三振と上々の成績を残しました。課題だった球威もレベルアップしており、3年目での飛躍を予感させました。
しかし3年目は春季オープン戦で肘を故障。トミー・ジョン手術を決断し、長期離脱となってしまいます。そして4年目となった今年は育成選手契約。実戦復帰は6月となりました。結局、深沢投手の4年目は二軍で4試合に登板して、13回を投げて、13奪三振、防御率3.46という数字でした。その投球を見ると、制球力の高さは相変わらず抜群で、コーナーへ厳しく投げ分けができており、スライダー、カットボールの切れ味も健在でした。さらに球速が増せば一軍で勝負できる投手ではないかと思います。
球団は同じサイドスローとして、通算25勝を挙げている平良 拳太郎投手(北山)のような活躍を期待しているのではないでしょうか。平良投手も決して突出した球速を投げるわけではありませんが、投球術の上手さでしぶとく活躍をしています。
深沢選手の同期生、DeNAの2021年のドラフト組は9人中、6人が退団しました。深沢投手も支配下復帰をはたしましたが、5年目の来年は結果が問われる年になります。名将・持丸監督が絶賛した投球術を一軍の舞台で発揮し、長くプロの世界で活躍してほしいです。