ラスベガスで起きたまさかの“失態”に足を引っ張られた角田(C)Getty Images最高峰の舞台であるF1において言語…

ラスベガスで起きたまさかの“失態”に足を引っ張られた角田(C)Getty Images
最高峰の舞台であるF1において言語道断の失態
なぜ失態が繰り返されるのか――。角田裕毅(レッドブル)に対する自チームのミスが、痛恨すぎる結末を招いた。
現地時間11月21日に米ラスベガスのストリップサーキットで行われたF1第22戦となるラスベガスGPの予選で、角田は19番手に沈み予選1回目(Q1)で敗退。前日のフリー走行で全体3番手となって「今季で最も快適にマシンを操れているように見えた」(F1公式サイトのリポート)と評された自信が深まる内容から一転する結果となった。
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異変は明らかだった。というのも、全体2番手に食い込んだマックス・フェルスタッペンをはじめレッドブルグループ勢が軒並み好結果を記録する中、角田“だけ”がタイムを伸ばせず……。気づけば19番手にまでダウンし、本人が「本当にまったくグリップがなくて、ずっと氷の上みたいな感じだった。ずっとホイールスピンしていた」と振り返るように、何かがおかしかった。
その「何か」の原因はすぐに発覚する。予選後にF1公式インタビューに応じたローラン・メキース代表は「今日のユウキに関しては、我々の責任だ」と切り出し、公然と謝罪の言葉を口にしたのである。
「タイヤの内圧調整で大きなミスを犯して、マシンの競争力を発揮できない状態で走らせてしまった。チームとして、ユウキに心からの謝罪をしたいと思う。本来あってはならないミスだ。ただ、起きてしまった以上は、しっかり学んでより強く戻るしかない。週末を通してユウキは素晴らしいリズムに乗りこなせていただけに、彼からチャンスを奪ってしまったことが本当に痛すぎる」
まさに前代未聞のミスだった。ただ、角田に対する失態は今に始まったことではない。前戦のブラジルGPではピットクルーがペナルティータイムの消化中にマシンに触れ、ペナルティーが増加。さらに前のメキシコGPではピットストップの判断を陣営が誤って約12秒というタイムロスをして順位を落としていた。
立て続けに“ミス”、それも陣営によるミスが続く角田。今回の空気圧の調整はドライバー本人ではもはやどうすることもできないレベルであり、最高峰の舞台であるF1において言語道断の失態と言える。「起きてしまった以上は仕方がいない」と片付けられる類のそれではないのである。
日本人を取り巻く惨状
日本人ドライバーを取り巻く惨状に、海外メディアも愕然としている。オランダのモータースポーツ専門メディア『Racing News365』は「ユウキ・ツノダは恐ろしく、そして痛ましい結果に見舞われた」と糾弾。レッドブル陣営の失態を「奇妙ですらある」と指摘した。
また、英紙『Daily Express』も「ユウキ・ツノダの不運は続く」と毎GPごとに何かが起きる現状に同情した上で「スタート時は楽観的な状態にあったツノダだったが、味方の致命的なミスにより、一気に劣勢に立たされた。タイミングも含めて、まさに見る必要のない悲惨な悪夢だった」と論じた。
19番手と低迷し、決勝でポイント圏への巻き返しも厳しくなった角田。来季の残留がかかる中での重要なレースだけに、陣営への苛立ちは強まる一方だ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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