男子…
男子日本代表は「FIBAバスケットボールワールドカップ2027 アジア地区予選Window1」に向けて準備を進めており、メディアへの練習公開の際、瀬川琉久(千葉ジェッツ)が囲み取材に応じた。瀬川は今年3月に高校を卒業したばかりで、今回が初めてA代表の活動に参加する。
東山高校在学時から代表のデベロップメントキャンプに参加していた瀬川だが、日本代表の強化合宿に参加するのは初めて。「テレビ越しで見ていた選手ばかりなので緊張もある」と話しつつも、「最年少らしくエナジーを出してアピールしたいと思います」と意欲を示した。試合までの限られた期間の中で、自身の強みをどこまで表現できるかが選出のポイントとなる。
チームの雰囲気については「集中するときは集中し、仲良くやる場面もあるメリハリのある環境」と説明。年齢差のあるメンバーの中で、同部屋となった湧川颯斗(三遠ネオフェニックス)を「一番頼りにしている先輩」とし、「年も近く話しやすい存在」とコミュニケーションを図りやすい相手として挙げた。
今回のチャイニーズ・タイペイと対戦するWindow1に向けて、トム・ホーバスヘッドコーチは「ポイントガードのディフェンスの重要性」を強調している。瀬川は自身の持ち味として得点力を挙げつつも、「前からプレッシャーをかけるのは得意なので、求められていることを遂行したい」と語り、守備面でのアピールにも取り組む姿勢を示した。
とはいえ、ポイントガード陣にはBリーグを代表する選手がそろっており、ロスター入り競争は熾烈だ。瀬川は「スタッツも結果もまだ出せていない立場。失うものはないので全力で立ち向かいたい」と述べた。
高校卒業前にプロ入りし、Bリーグを代表する強豪の千葉ジェッツの中で急速に経験を積んできた。代表候補入りについては「周りの期待も大きくなっているが、まだ答え切れていない部分もあります」と自己評価。加えて「まだユニフォームを実際に着れてないので、(代表について)イメージはないのですが、色々な方に夢を与える立場になったんだなと実感はしています」と、目まぐるしく変わる自分の立場に戸惑いを覚えつつ、それでも代表としての自覚を芽生えさせている。
現在、3ポイントフォームの変更に取り組んでいる。「徐々に良くなっている感覚があります」と手応えを口にした。ホーバスHCから「シュートが遅い」と指摘を受けた点についても「修正していきたい」と話し、改善への取り組みを継続している。
オフェンス面では、クラブと代表で求められるバスケットが異なることを意識しているという。「まずは求められていることを遂行し、ズレが生まれた時に自分でアタックしたい」とし、“ホーバスバスケ”の習得に取り組んでいる。また、インサイドやウイング陣との連携についても「アジャストしながらプレーしている」と語り、限られた練習時間でコンビネーションを高めるつもりだ。
今回のWindow1は、瀬川にとって地元・神戸での開催となる。「得点を取るスタイルは変えず、アグレッシブにエナジーを出したいです」と意気込んだ。
文=入江美紀雄