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 NBAの公式SNSが、アンソニー・エドワーズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)のインタビュー動画を公開した。インタビューで「あなたが受けた“NBAにようこそ”な瞬間を教えてください」と質問を受けたエドワーズは、新人時代の思い出を語っている。

 エドワーズが“NBAの洗礼を浴びた瞬間”について振り返ったのは、ルーキーシーズンである2020年に行われたロサンゼルス・レイカーズとの試合だった。しかし、レブロン・ジェームズなどのスーパースターとの対決ではなく、洗礼を受けた相手はモントレズ・ハレル(現在はプエルトリコのリーグでプレー)だと言う。

「俺がコートの左側を攻めてたら、彼(ハレル)が“ヘジテーションからプルアップ(ジャンプショット)だろ。レッグスルー入れて、左手でヘジテーションからのプルアップだ”と言ってきたんだ。俺は、“え、なんでわかるの?”と思ったね。実際、その時も結局そのプレーをしたし。本当に“彼はなんで未来がわかるんだ?”って思った」

 ハレルの発言が気になったエドワーズはコーチにそのことを伝えると、「映像を見て分析してるんだよ」と教わったという。エドワーズはその時、「ああ、これがNBAか」と感じたという。プロの分析に対して“天然”な反応を見せる、いかにもエドワーズらしいエピソードであった。

 ヒューストン・ロケッツのケビン・デュラントも同じ質問を受けると、シアトル・スーパーソニックス(現オクラホマシティ・サンダー)時代の思い出を語った。奇しくもエドワーズと同じくレイカーズとの試合について振り返っている。

「あれはルーキーイヤーの時だね。レイカーズはその後2連覇を果たすわけだけど、その試合ではコービーが確か47点くらい挙げて、決勝点も決めたんだ。その瞬間、“彼は次元が違うマシーンだ。あれこそ、僕がこのリーグで成し遂げたい姿だ”って思ったよ」

 デュラントが言及しているのは、2008年1月15日(現地時間14日)に行われた試合と思われる。延長にもつれる激戦の末、48得点を挙げたコービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)が決勝点を沈め、123-121でレイカーズが勝利している。その試合でも先発に名を連ねていたデュラントは以降も活躍を続けその年の新人王を獲得するが、ルーキーイヤーで得た収穫は個人賞の称号よりもレジェンドによる圧倒的な“お手本”だったようだ。

 クーパー・フラッグ(ダラス・マーベリックス)やディラン・ハーパー(サンアントニオ・スパーズ)、VJ・エッジコム(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)など、ルーキーの活躍が目覚ましい今シーズン。ルーキーが“NBAの洗礼”を浴びる瞬間、その後更に一段階ステップアップする瞬間を見届けるのも一興かも知れない。