20日にあったデフリンピック東京大会の陸上男子ハンマー投げ決勝。筑波大4年の遠山莉生(りき)は3投目で、自己ベストを1…

 20日にあったデフリンピック東京大会の陸上男子ハンマー投げ決勝。筑波大4年の遠山莉生(りき)は3投目で、自己ベストを1メートル以上更新する60メートル19をたたき出した。投げ終えると、観客席に何度も拳を突き上げた。「手応えはなかったけど、調子が良かった」とほほえんだ。

 エントリーしていた11選手のうち6選手が欠場するなか、表彰台を日本勢が独占した。世界記録保持者の40歳、森本真敏が2位。前回大会王者の39歳、石田考正が3位。この2人を初出場の21歳が破った。

 遠山は「ここまで来られたのは2人のおかげ」と話す。ろう学校に通っていた高校時代、森本に誘われて競技を始めた。当時は石田によく指導をしてもらっていた。今でも3人で、投げる際のスイングやターンなどについて意見を交わす仲だという。

 遠山は「お二方のほうが経験値が上だし、まだまだ勝てない」と謙遜しつつ、「表彰台を日本勢で独占できた上での1位はすごくうれしい」と喜んだ。

 今後の目標は「森本さんの世界記録63メートル71を破ること」。新鋭の躍進は、まだこれからだ。(佐藤祐生)