今年のドラフト会議で福岡ソフトバンクホークスが中央大・大山北斗を指名するなど、大学準硬式界の超トップ級ならば、ドラフト指…
今年のドラフト会議で福岡ソフトバンクホークスが中央大・大山北斗を指名するなど、大学準硬式界の超トップ級ならば、ドラフト指名の可能性がある。それを示したわけだが、関西地区にも今年を代表する剛腕がいた。
京都産業大・升田陽大だ。最速149キロを投げるストレートが最大の武器で、夏の全国大会ではチームのベスト8進出に大きく貢献。21日に甲子園を使って開催される第4回全日本大学準硬式野球東西対抗日本一決定戦(以下、甲子園大会)に、西日本選抜のメンバーの一員として出場する。
「高校時代はチームの目標でしたし、憧れの場所です。なので今年選ばれたことはびっくりしていますし、悔いのないように投げ切りたいです」
高校は愛知で3年間を過ごした。県内でも進学校の1つに数えられる学校で、「学内の成績は上位に入ることが難しかった」と苦労が絶えなかったが、文武両道の3年間を駆け抜けた。
そんな升田は2年生の冬、野球人生の転機が訪れた。
「それまでは外野手でしたが、守備固めで試合に出場する控え選手。でも肩は強かったので、指導者から『投手を1回やってみろ』と言われてから、ピッチャーにコンバートしました。
最後の夏は背番号11の控えで、最後の試合に登板して143キロを記録しましたが、転向してよかったです。1球、ワンプレーでも多く試合に関わる機会が増やせたので、ポジティブにとらえていました」
最後の夏はベスト16。激戦区・愛知であることを考えれば、十分な成績。升田も「やり切った」と後悔はなかった。受験勉強にシフトして、京都産業大に現役で合格。野球のないキャンパスライフを送るはずだった。
「ちょうど高校3年生の時、ドラフト会議で日本ハムに北山(亘基)さんが指名されていたので、『あのレベルじゃないといけない』と思ってしまって。受験勉強でブランクもあったので、硬式野球はやめました。
ですが、愛知の同期が準硬式で継続する選手が多くて、新入生歓迎会に参加して、詳しいことを聞きました。週3日間の練習でアルバイトも勉強も全部両立できる。そこに魅力を感じて、準硬式で野球を続けることにしました」
その後、1年生から全国大会での登板実績を積むなど、マウンドに上がるチャンスを多くつかんだ。高校2年生冬からコンバートされて、圧倒的に経験値が少なかった升田にとって、この環境こそ149キロを投げるに至った大きな理由だと話す。
「先輩投手もたくさんいて学ばせてもらうことがありましたが、1年生から全国大会で投げたり、2年生の時は先発を任されたりしたことが大きかったです。普段の練習などを含めて、色んなことを知っている仲間たちがメンバー決めも采配もします。学生主体のおかげで登板機会が増えたと思うので、準硬式の良さだと思います」
準硬式に育ててもらって、149キロ右腕・升田陽大が誕生した。そんな升田の有終の美は甲子園大会だ。1年生の時は開催を知らず、2年生になって初めて認知したこともあり、「準硬式で甲子園に立てると思っていなかった」と驚いたという。
野球人生最後の試合を甲子園で。「悔いのないように投げ切りたい」と最後は笑みをこぼした。成長した姿を夢舞台で見せ、最高の形で野球を終えられるか。甲子園で躍動する姿を是非見せてほしい。