全国高校総体のカヌー競技(8月、島根県美郷町)で優勝した山形県立の寒河江高校と谷地高校の選手たちが14日、県教育委員会…
全国高校総体のカヌー競技(8月、島根県美郷町)で優勝した山形県立の寒河江高校と谷地高校の選手たちが14日、県教育委員会を訪れ、大会結果を報告した。
寒河江は、女子スプリント・カヤックフォア(4人乗り)の200メートルと500メートルを、3年の後藤茜寧(あかね)さん、2年の佐藤和佳(のどか)さん、太田里桜奈(りおな)さん、土田琳子(りんこ)さんのチームが制し、学校対抗で初優勝を飾った。
500メートル決勝では、先頭の艇のすぐ後ろについて粘った。勝敗を分けたのは、スタミナ。残り約200メートルで、先頭の艇はバランスを崩し、スピードを徐々に落としていった。一方、寒河江の4人はペースを落とさずにこぎ続け、残り100メートルで相手を引き離した。
先頭でこいだ佐藤さんは「みんなのリズムが合い、パドルを大きくまわして、きれいに進むことができました」と振り返った。
谷地は、男子スプリント・カナディアンシングル(1人乗り)の200メートルで3年の伊藤直大(なお)さんが頂点に立った。
伊藤さんは、決勝でスタートダッシュに成功。水を大きくつかむパドルさばきで、最後まで先頭を譲らなかった。
逆境を乗り越えてつかんだ優勝だった。ふだん使う最上川の練習場が土砂や藻の影響で使えなくなり、月山湖カヌースプリント競技場などに通った。川に比べ、湖の水の流れは意外に速く、風も強かった。そのぶん、力強さが鍛えられた。
伊藤さんは「厳しい環境での練習をうまく活用できました。大学に進んでからも優勝をめざします」と抱負を語った。
両校のカヌー部は同じ中学だった部員も多く、一つのチームのように仲がいい。選手たちは「来年も、2校ともに全国優勝をめざします」と誓い合っていた。(渡部耕平)