池山監督が独占インタビューに応じ、4番に求める条件、期待の若手選手について語ってくれた(C)TsutomuBEPPU/C…

池山監督が独占インタビューに応じ、4番に求める条件、期待の若手選手について語ってくれた(C)TsutomuBEPPU/CoCoKARAnext
ヤクルトの池山隆寛新監督が独占インタビューに応じてくれた。1回目は、チーム再建を任される中、4番に求める条件、期待の若手選手について言及した。
「60(歳)という節目で戻れたのは意味がある。それだけヤクルトのことを託されたのだと思う」
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今年の12月で還暦を迎える新指揮官は、2002年の引退試合で神宮球場のファンに再会を約束。1軍の監督として戻ってこられた喜びを口にした。
チームは生まれ変わる。4番を担ってきた村上宗隆がポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指し「新しい4番をつくらないといけない。サードも抜けるという状況で、いまシミュレーションが頭の中で動いている」と明かす。今後「開幕4番」を誰に託すのか、見極めていく構えだ。
池山監督自身も97年に開幕4番を務めた。前年はアキレス腱痛の影響で不本意なシーズンを過ごしたにもかかわらず、4番に起用され「1年間働けなかったのに、いろんな意味があって『4番』に入れてくれたのかなと思う」と、当時の指揮官だった野村克也監督への思いを巡らせていた。
「エースと4番というのはチームの柱だと思っている」と口にし、4番を張る選手の条件は「責任感の強い、また、チームの顔としてスワローズを背負って立ってくれる選手」と言い切った。
松山秋季キャンプでは、将来のスワローズを担う選手が汗を流した。池山監督は同キャンプについて「個々の選手が来季への課題を一人ひとり落とし込んでいる。それに向けてのレベルアップ」と位置づけ、「選手たちの自覚や気持ちは練習風景から見える」と、手応えを口にした。
し烈な競争を促す中、今キャンプに参加したプロ1年目のモイセエフ・ニキータについては「長打力を秘めた選手。打率こそ低いけど、本塁打は(ファームで)4本。飛距離や、当たったときの打球の速さ、角度は素晴らしいものを持っている。それをより自分のものにして、数多く本塁打を打てる、打率も上がっていく1年にして欲しい」と、未来の「大砲候補」として2年目の成長を期待した。
また、監督就任会見で名前を挙げた澤井廉も一発長打が魅力の選手だ。現在はコンディション不良のためリハビリ中だが「たぶん来年のキャンプには間に合うと思う」と説明した。
「(ファームでの)1年目の活躍をもう一度見せて欲しいし、彼も長打力を秘めた選手なので、これから必要になってくると思う。確実に自分のものにしていくというところが課題になってくる」
澤井はプロ1年目にイースタン・リーグで18本塁打を放ち、本塁打王に輝いた。現役時代に「ブンブン丸」と呼ばれた池山監督のように“一振り”で試合の流れを変えることができる打者として期待がかかる。
「自分自身の憧れでもあるし、チームを救ってくれる“一振り”は嬉しい限り」と池山監督が言うように、通算246発を放ってきた村上の穴を埋めるには、大砲育成は必要不可欠。若い選手を鍛え上げ、スワローズを背負える選手を育て上げる。
[文:別府勉]
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