<国際親善試合:日本3-0ボリビア>◇18日◇国立日本代表がメモリアルマッチを勝利で飾った。森保一監督(57)の代表指揮…
<国際親善試合:日本3-0ボリビア>◇18日◇国立
日本代表がメモリアルマッチを勝利で飾った。森保一監督(57)の代表指揮100試合目となったボリビア戦で3-0快勝。国際Aマッチで初めて大台に乗った。前半にMF鎌田のゴールで先制すると、後半に途中出場のFW町野とMF中村が加点。指揮官の采配も光った。通算勝率(白星率)は驚異の69%。日本歴代2位の73試合を指揮した長沼健監督の47%(34勝13分け26敗)を大きく上回る。日本サッカー界の発展を心から願う名将がまだ見ぬ領域へ日本を導いていく。
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森保監督の100試合到達に当たり、象徴的な光景が広がった。後半26分に決定的な町野の2点目が決まると、愛され監督は選手たちから輪に加わるように促され、喜び合った。
「選手何人かと目が合って『来い、来い』と言われたので、お祝いしてもらえるんだなということで私もそこに乗っかって、円陣に入って一緒に喜ばせてもらいました。私自身はゴールを喜びたかったです(笑い)」
激しい競争の中で選ぶ、選ばないを決める立場。嫌われがちな役割でもあるが、その人間性から多くの選手から慕われる。100試合中、最多71試合出場のMF南野は言う。「本当に尊敬できる人。だからこそ、試合に出られる選手、出られない選手がいる中でも『チームのためにやろう』という雰囲気がある」。誠実で思いやりにあふれる指揮官の人柄に導かれ、仲間のために献身的に走り、一体感ある組織に仕上がった。
百戦錬磨の名将は誰よりも日本サッカー界を愛している。プライベートの旅行先でも、ファンに囲まれれば1人1人丁寧に応じる。遠征前に空港で写真を求められると、そのスマートフォンを受け取って「自撮り」をすることもしばしば。代表監督の肩書を持ちながら「神対応」で草の根からサッカーの輪を広げる。
代表への愛着も人一倍強い。チームのためならいつでも監督の職を辞する覚悟を持って活動に臨む。前回大会のアジア最終予選で第3戦までに1勝2敗した際に選手たちに伝えた。「今から監督からかばん持ちに役割を変わっても俺はこの中にいる」。日本を背負う誇りと喜びを胸に戦う姿勢がより求心力を高める。
試合後には100試合の記念ユニホームを選手たちから贈られ、ウオーターシャワーで手荒く祝福された。「世界一を目指して、チーム力を上げていくために建設的にいろいろなやりとりをできれば」。来年6月のW杯北中米大会の開幕まで最大4試合。最高峰の舞台では決勝まで戦えば8試合。通算指揮112試合目には「最高の景色」が待っている。【佐藤成】