大谷がパドレス戦で受けた死球「試合前の一礼がなくなった」 ドジャース・大谷翔平投手の活躍を放送席から見てきた米実況が、今…

大谷がパドレス戦で受けた死球「試合前の一礼がなくなった」

 ドジャース・大谷翔平投手の活躍を放送席から見てきた米実況が、今季印象に残った“忘れられないシーン”を語った。地元放送局「スポーツネット・ロサンゼルス」で実況を務めるスティーブン・ネルソン氏が明かしたのは大谷が“挨拶”をやめた日。遺恨が残ったパドレス戦を振り返った。

 米スポーツ局「ESPN LA」の番組にゲスト出演したネルソン氏は、司会者から大谷が毎試合、球審とコミュニケーションを取っていることを振られると「ファウルを打つ度に謝罪したり、(危ないと)皆に忠告していますね」と、大谷が見せる“気遣い”について語った。

 続けて「ショウヘイ・オオタニは毎試合第1打席に立つ時、敵軍ベンチに向かってヘルメットの縁を触って、一礼をするのです」と、相手チームにも敬意を忘れないことを称えた。しかし、その“挨拶”を控えるようになった球団があるという。「それをやめたチーム、そして監督が1つだけあります。それは、パドレスのマイク・シルトです」とネルソン氏は明かす。

 6月19日(日本時間20日)、本拠地で行われたパドレス戦で、大谷はロベルト・スアレス投手から右肩付近に99.8マイル(約161キロ)の死球を受けた。「彼(大谷)はその時、品位のある対応をしました。沸き立つドジャースナインを制止しました。笑いながら『僕は大丈夫だ』と、言っているようでしたね。球宴では、スアレスに対して(この件を)笑い話にしていました」とネルソン氏は語るが、この死球が遺恨を残したと見ている。

「それ以降のパドレス戦では、試合前の一礼がなくなりました。彼にとってリスペクトというものは、お互いが持つものなんでしょうね。一線を越えた場合、彼はそのことに気が付くんです。(一礼をやめたことが)多くを物語っています。彼が(この件について)喋ったことも、今後(この件について)何か言及することはないでしょうが、この沈黙は多くのことを物語っていると思います」と語り、大谷の沈黙に秘められた“怒り”を代弁していた。(Full-Count編集部)