今年のドラフト会議 で埼玉西武ライオンズから6位指名を受けた四国銀行・川田 悠慎外野手(高知―京都産業大)。四国銀行から…
今年のドラフト会議 で埼玉西武ライオンズから6位指名を受けた四国銀行・川田 悠慎外野手(高知―京都産業大)。四国銀行からは1985年・阪神タイガースの日本一に大きく貢献し、コーチとしても2006年WBC優勝に外野守備・走塁コーチとして関わった弘田 澄男氏以来、実に54年ぶり2年目となる快挙だった。ドラフト当夜、四国銀行本店に集った野球部一同はじめ、行内には大きな歓喜が広がった。
興奮冷めやらぬ11月15日、川田は四国銀行本店内で埼玉西武ライオンズ球団本部編成グループの前田 俊郎 育成・アマチュア担当チーフと同グループの上本 達之・中四国地区担当スカウトから指名あいさつを受けた。その直後に行われた入団交渉で契約金2000万円、年俸700万円(いずれも推定)で合意している。
ドラフト当日には野球部と四国銀行への感謝の念があふれ大粒の涙をこぼす場面もあったが、この日は現役銀行マンらしく終始落ち着いた所作。入団内諾後の記者会見でも「入団当初は困っている時にチームを助ける小さなピースでもいいので、細かなところからチームの戦力になりたい。そして周りの人を大切に、応援される選手になりたい」と野球部ばかりでなく大津支店での営業実務で学んだ現状を俯瞰しつつ、その中で自分の持ち味を最大限発揮していくプロでのビジョンを冷静に披露した。
実は先の社会人野球日本選手権1回戦・トヨタ自動車戦では先頭打者として来年から敵将となるオリックス・バファローズ 岸田 護監督の始球式に立ち会う稀有な経験も務めた。始球式後、岸田監督から声をかけてもらった内容については「放送の音とか大きくて聴き取れなかったんです」と申し訳なさそうな表情を浮かべたが、それもプロ入り後にプレーでお返しすればよいこと。
埼玉西武ライオンズではまず上本スカウトが「グラウンドでの練習を見ても今の埼玉西武ライオンズに入れても1・2を争うし、技術的にはまだまだだけど伸びしろしかない」と評した50メートル走5秒7の脚力を存分に活かし、チームを助けるプランナーを目指す。中長期目標はドラフト前から掲げていた福岡ソフトバンクホークス・周東 右京(東京農大第二~東京農大オホーツク)のような機動力と内外野守備のユーティリティ性に長けた万能選手。そして「自分の基準になっている」50盗塁をマークしての盗塁王獲得だ。