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11月15日、「U18日清食品トップリーグ」女子の最終日が行われ、京都精華学園高校が見事3連覇を達成した。
6戦全勝で迎えた最終戦の相手は、今夏のインターハイを制した桜花学園高校。準々決勝で日本航空高校北海道に敗れた夏の悔しさを晴らすべく、勝てば優勝の決まる運命の一戦へ。高さで優位に立つ京都精華学園はンガルラムクナリヤや石渡セリーナなどのインサイドを起点に得点を重ね、吉田ひかりの鋭いドライブなどで相手陣地を切り裂くと、79-66で全戦全勝を収めた。
17得点11リバウンド4アシストのダブルダブルを達成し気迫のこもったプレーを見せた石渡は、試合後に「夏のインターハイで悔しい結果で終わってしまったので、トップリーグでまずはリベンジができたことは嬉しく思います」と喜びを語った。
「今までの先輩たちがウインターカップあるいはインターハイ3連覇、日清食品トップリーグ2連覇という形を本当に作り上げてくれたので、そのことから周りのプレッシャーが強い中でインターハイは残念ながらベスト8で終わってしまいまして」と、振り返ったのは山本綱義監督。「何としてでも先輩たちの後少しでも結果を残したいということで、選手たちはすごく頑張ってきました。そういったことで厳しい口調、厳しい指導をしてきたんですが、何とかそれにしっかりついてきてくれて、今日の結果を大変嬉しく思っております」と、今年度初の全国優勝を嚙み締めた。
敗戦を味わった夏の後「ディフェンス、ルーズ、リバウンドっていうところがインターハイの試合の中でまだまだできていなかったので、メンバーの子だけじゃなくて、それ以外の子と試合でダメだったたところを共有して、全員で練習を成し遂げていくっていうところをすごく大切にしてきました」と、話すキャプテンの坂口美果は、個人としても「ディフェンスでみんなが見えない泥臭いところを自分がとっていこうっていう強い気持ちで、練習から泥臭いところを頑張っていきました」と、縁の下の力持ちに徹する覚悟を滲ませた。
「インターハイでは自分のゲームメイクができてなくて負けた部分もあったと思うので、練習からもっと視野も広く持ってやることやったり、もっと冷静にプレーできるように頑張りました」と、明かしたのは司令塔を務める吉田。この日は13得点6アシストを挙げチームを勝利へ導き「2年生でスタートを任せてもらっているので、責任を感じてましたし、優勝できて先輩たちにいい思いをしてもらって嬉しいです」と、プレッシャーを越え優勝を掴んだことへの安堵で顔を綻ばせた。
そんなリベンジを果たした喜びもつかの間、意識は4連覇がかかるウインターカップへ。
「本当に近年強いチームがたくさん出てきているので、勝ち上がっていくということが極めて難しいという風に感じていますので、本当に1戦1戦、勝ち上がるためにどれだけの力をつけたらいいのかということを、ウインターカップまでにしっかりと分析して、対応力を身につけていきたい」(山本監督)
「5人だけじゃ絶対勝てないと思いますし、今これからの練習で全員バスケットをできるようにもっとやって、いい結果になるように頑張りたい」(吉田)
「今回のトップリーグの試合でいろんな課題が見えたと思うので、その課題をみんなで克服していって、インターカップは一戦一戦いい結果を残して、完成度の高いチームで臨めるようにしたい」(石渡)
「後輩に来年の出場も残せて本当に嬉しかった」と話し、先輩から受け継いできたものを次の世代へと繋げていく強い意思を覗かせたのは、キャプテンを務める坂口。「先のことを見ずに今のことを大切にやっていきたいです」と、一歩一歩確実に踏みしめるような直向きな眼差しで冬を見据えている。