<大相撲十一月場所>◇九日目◇17日◇福岡・福岡国際センター【映像】館内に響いた「異様な声」実際の様子 「国際センター、…

<大相撲十一月場所>◇九日目◇17日◇福岡・福岡国際センター

【映像】館内に響いた「異様な声」実際の様子

 「国際センター、せっかく静かになりかけたところで、また変な声が飛びました」。昨今は大相撲のマナー問題がたびたび話題に上がるが、この日、幕内の緊張感あふれる取組前に、元NHKの大相撲名物実況者がたまらず苦言を呈する一幕があった。この一言に元小結の人気力士も「そっちに神経がいったら、前にいけなくなります」「勝負師の現場として、茶々を入れないで」など力士の思いを代弁した。

 前頭九枚目・翠富士(伊勢ヶ濱)と前頭五枚目・正代(時津風)の一番の前。実況を務めた藤井康生アナウンサーは「客席のマナーをしっかりして欲しいというのを連日のように(視聴者から意見として)もらいます」と切り出した。

 それから藤井アナは「というのも、制限時間いっぱいになって、力士が集中している時に、2階から、あるいは1階から声が飛んでしまうと、やっぱり集中力が途切れてしまうのではないかと思います」と考えを示した。

 これを受け、解説を務めた元小結・旭道山も「(館内が)シーンとしている時に、笑かすような声援を送る方がいます。その時に(力士は)ちょっと気が抜けるんです。そっちに神経がいったら、前にいけなくなりますから」「礼儀として、勝負師の現場として、茶々を入れない(のが大切)」と説いた。

 そんな中で迎えた、前頭筆頭・若隆景(荒汐)と小結・高安(田子ノ浦)の取組。館内は好カードを前に静寂に包まれたが、立ち合い前に客席にいる男性から異質な声援が響いた…何を言っているのかはっきりと聞き取れなかったが、これに対し藤井アナは「国際センター、せっかく静かになりかけたところで、また変な声が飛びました」とコメントした。

 今場所は七日目の取組でも客席のマナーが議論を呼ぶ事態があった。前頭七枚目・美ノ海(木瀬)が前頭七枚目・阿炎(錣山)を送り出しで下した一番では、喝采を遮るような指笛が客席から繰り返し響いた。さらに、同日、横綱・豊昇龍(立浪)と前頭四枚目・玉鷲(片男波)の立ち合い直前、野次が館内に響き、実況の藤井アナが思わず「ここはお静かにお願いします」と苦言を呈する場面もあった。

 九日目は長時間にわたって客席からの指笛の音が目立ったり、声援というよりも怒鳴り声に似た音が聞こえることもあった。これに対し、ネットには「めちゃくちゃ下品」「不愉快なんだが…」などの声が寄せられている。

 これまでもたびたび議論を呼んできた大相撲におけるマナーの問題。一方でまず頭に入れておきたいのは、館内にいる間、ずっと大人しくしていることを求めているわけではないということだ。取組が始まったら推し力士に声援を送るのは良いだろう。

 日本相撲協会は「大相撲観戦時のお願い」として「相撲場内外でみだりに気勢を上げ騒音を出す行為」「その他相撲競技の進行及び施設管理の運営に妨げとなる、または他のお客様に迷惑を及ぼすと判断する行為」等を“お断り”としている。力士の応援に力が入ってしまう気持ちはわかるものの、誰もが気分よく観戦できるよう、他の相撲ファンに配慮することも必要だろう。

(ABEMA/大相撲チャンネル)