(17日、明治神宮野球大会高校の部準決勝 神戸国際大付6―2英明) ドスン。 鈍い音が響いた。 三回2死一塁。神戸国際…

 (17日、明治神宮野球大会高校の部準決勝 神戸国際大付6―2英明)

 ドスン。

 鈍い音が響いた。

 三回2死一塁。神戸国際大付の4番川中鉄平(2年)は、外角の直球をフルスイングで捉えた。打球は中堅方向へ飛び、そのまま柵を越えた。バックスクリーン下部を直撃する先制2ランだ。

 一塁を回った後、「(スタンドに)入っていないのかなって思った」と、二塁上で一瞬立ち止まった。本人の想像を上回るほどの「伸び」があった。

 「無理やり引っ張らず、そのままセンター方向に打てた」

 公式戦のベンチ入りメンバーに入ったのはこの秋からだが、練習試合を含めてこれで高校通算16本塁打に。

 身長183センチ、体重93キロの体格。パワーに活路を見いだし、「ウェートトレーニングはさぼらないように、チームの中でも人一倍やってきた」。ベンチプレスは100キロを持ち上げる。

 高校野球の近畿大会を制したチームは打線が絶好調だ。初戦で3本塁打、この日は川中の一発を含む2本塁打。計5本塁打と、大会記録まであと1本に迫った。勢いそのままに、初の決勝に臨む。

 この神宮大会は、九州国際大付の牟礼(むれ)翔(2年)、花巻東の古城大翔(だいと)(2年)、山梨学院の菰田陽生(はるき)(2年)ら世代屈指の長距離打者たちがそろった。

 ライバルたちを意識する川中は「パワーと飛距離は誰にも負けてない」。

 次は、もっと遠くまでかっ飛ばす。(室田賢)