◇米国女子◇アニカ driven by ゲインブリッジ at ペリカン 最終日(16日)◇ペリカンGC (フロリダ州)…

トロフィは明日の授賞式までお預け。ルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得を決めた山下美夢有

◇米国女子◇アニカ driven by ゲインブリッジ at ペリカン 最終日(16日)◇ペリカンGC (フロリダ州)◇6349yd(パー70)

山下美夢有が最終戦を残してルーキー・オブ・ザ・イヤー(新人賞)戴冠を決めた。1990年の小林浩美、昨年の西郷真央に続く日本勢3人目の快挙に「歴代の選手を見ても素晴らしい選手がたくさんいて、そこに一緒に名を置けるのは大変光栄なこと。1人だけじゃなくたくさんの方に支えてもらって、この賞をいただけたと思います」と喜びを語った。

傍から見れば順風満帆でも、日本で頂点を極めた山下なりに新たな環境への適応に四苦八苦し、プレースタイルを見失いかけたこともあった。葛藤を乗り越えてつかんだ、キャリアを通じて参戦初年度しか獲得できない特別な賞。「優勝するまでというか、優勝してからもルーキー・オブ・ザ・イヤーとか、ランキングとかもそこまで意識はしていなくて…」と正直に明かし、目の前の一戦一戦に丁寧にフォーカスし続けた結果であることを強調する。

懸命に練習を重ね続けた成果

振り返れば、最後までタイトルを争った竹田麗央に加え、岩井千怜も自身に先んじて米ツアーで優勝。山下が「AIG女子オープン」(全英女子)を制した直後には岩井明愛も勝った。「これだけ日本人のルーキーが勝って、本当にすごいこと。そこに私も(続いて)行けたことは良かった」としつつ、「まだ上には上がいる。そこを目指していかないといけない」。満足するそぶりもなく、高みを見据える。

戴冠を決めた前日の3日目は午前8時過ぎと早朝のスタートだったが、ラウンドを終えてから午後5時近くまで練習。身体のケアを行った後、コーチである父・勝臣さんとビデオ通話をつなげて再び打ち込む熱の入れようだった。

最終日は1番でバーディ発進を決めた直後、砲台グリーンの左奥にピンが切られた2番で大トラブルに見舞われた。2打目を寄せるのが困難な左奥に外すと、同組の勝みなみがアプローチで2度も急傾斜を戻された後にパターを握ったが、自身も2度失敗。ウェッジに切り替えた4打目もカップを過ぎて奥にこぼれる傾斜につかまるなど、6オン3パットの「9」をたたいた。

しっかり立て直して次週のシーズン最終戦へ

9番(パー3)でも2発の池ポチャでトリプルボギーを喫しながら、ラウンド全体では必死に5バーディを奪っての「75」で通算5オーバー68位フィニッシュ。「とりあえず、いまの状態だと全然ダメだと思う。もう一回、しっかりと見直して最後まで頑張りたい」と表情を引き締めた。

20日開幕の最終戦「CMEグループ ツアー選手権」(フロリダ州ティブロンGC ゴールドコース)で今季3勝目を飾れば、逆転でプレーヤー・オブ・ザ・イヤーに輝く。レースの先頭を走る世界ランキング1位ジーノ・ティティクル(タイ)を除けば、最上級の年間タイトル獲得の可能性を唯一残してルーキーシーズンのラストゲームを迎える。(フロリダ州ベルエア/亀山泰宏)