16日、明治神宮大会3日目の第2試合、山梨学院vs九州国際大付の一戦が行われて、5対4で九州国際大付が逆転サヨナラ勝ちを…

16日、明治神宮大会3日目の第2試合、山梨学院vs九州国際大付の一戦が行われて、5対4で九州国際大付が逆転サヨナラ勝ちを収めた。

 九州国際大付の先発・岩見 輝晟外野手(1年)は強打の山梨学院相手に8回途中(7.2回)まで投げて、4失点(自責点3)の力投だった。

 初回は三者連続三振を奪う立ち上がりを見せたが、2回に2点を失った。

 3回以降から立ち直り、3回から7回まで無失点に抑えた。

 188センチの長身で、スムーズな投球フォームから繰り出す常時135キロ前後・最速140キロの直球は角度があり、120キロ前半のスライダーで山梨学院打線を封じた。だが岩見自身、「内容はよくなかったです」と振り返る。原因は神宮球場のマウンドに苦しんだこと。想定以上の固さに軸足(左足)の小指を痛めたという。痛みをこらえながら投げたため、思い通りの投球はできなかった。それでも光ったのは低めに落ちるスライダー。このスライダ―を軸にした投球で計8奪三振を記録した。

「普段はストレートで勝負するんですが、低めのスライダーを振ってくれてよかったです。こういう攻めができるようにしたいです」と喜んだ。

 志免レッドスピリッツ 時代から超大型左腕として注目され、中学3年の時点で最速135キロ。九州のみならず、関西、関東の強豪校から誘われたという。それでも九州国際大付に進んだ理由についてこう語る。

「県外に出る考えはあまりなく、福岡の学校でやりたいとずっと思っていました。福岡で一番強いと思ったのが、九州国際大付でした。自分が中学1年生の時に福岡大会の決勝戦を見に行って、九州国際大付の強さに惹かれました」

 5番打者として起用されている岩見だが、打撃にはそれほどこだわりはない。

「1年春、出た試合でホームランを打つことができたおかげで野手でも試合に出ることができました。でもレベルの高い投手からまだまだ打てないので、これから鍛えていきたいと思います」と課題を語った。

 降板後の8回表には、ライトから勝ち越しを許す大暴投。

「アウトにするつもりだったのですがやらかしました…」と嘆いたが、それでもチームは逆転サヨナラを収め、準決勝進出となった。

 岩見は「とにかくスタミナが足りないこと。もっとトレーニングをして、疲れずに投げるようにしたい。痛めた小指もしっかりとテーピングして次の試合に臨みたいです」と意気込んだ。

 投打ともに注目されるが、こだわりがあるのは投手。

「3年夏までには最速152キロを投げたいです」

 淡々と自分のパフォーマンスを発揮する岩見から底知れぬの可能性を感じる。今後のパフォーマンスに注目だ。