第105回全国高校ラグビー愛知県大会は15日、名古屋市瑞穂区のパロマ瑞穂ラグビー場で決勝があった。記念大会のため県勢は…

 第105回全国高校ラグビー愛知県大会は15日、名古屋市瑞穂区のパロマ瑞穂ラグビー場で決勝があった。記念大会のため県勢は代表枠が増えて2校となり、第1地区は中部大春日丘が西陵を110―5(前半40―5)で破り13大会連続15回目、第2地区は名古屋が栄徳を33―14(前半14―7)で下して初の全国大会出場を決めた。全国大会は12月27日、大阪府の東大阪市花園ラグビー場で開幕する。(辻健治)

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 名古屋は粘る栄徳の反撃を振り切り、創部67年目で悲願の花園初出場をつかんだ。

 前半は得意のセットプレーなどでリードを奪ったものの、後半11分に5点差まで迫られた。流れを引き戻したのは同20分、敵陣で相手キックのこぼれ球をパスでつなぐと、CTB中島裕次郎主将(3年)が突破してトライ。「チーム全体で取り切った」と中島主将。その後は持ち味の堅守を発揮し、勝利を告げるホイッスルが響くと黒いジャージー姿の選手たちは喜びの涙を流して抱き合った。

 名古屋は昨年まで5年続けて決勝で敗れた。チームを指導して20年の二木久善監督は、初の花園に向けて「何か爪痕を残せるように、名古屋高校のあるべき姿を選手と話し合って臨みたい」と話した。

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 中部大春日丘は計16トライを挙げ、失点は1トライのみ。全国制覇の経験がある西陵を攻守で圧倒した。

 花園の常連校とはいえ、立ち上がりは硬さが見られ、前半24分にはトライを許した。「決勝独特の緊張感で、気持ちが前に出た。これが花園では後々で響いてくる」と宮地真監督。20歳以下日本代表で、この日3トライを決めたSH荒木奨陽主将(3年)は「5点を取られたのは、自分たちに甘さがある」と大勝にも表情を緩めなかった。

 1年からレギュラーの荒木主将を軸とし、宮地監督は3年計画でチームを鍛えてきた。15回目となる花園での目標はただ一つ。2人は「日本一」と言い切った。

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 今年の全国高校ラグビー大会愛知県大会では、出場した合同チームが8と過去最高となった。

 うち1勝を挙げて第1、第2地区でそれぞれ準々決勝に進出したのは2チーム。10月25日の準々決勝では、愛知朝鮮・星城・南山・名城大付が瀬戸西に42―7で敗退。また、瑞陵・中村・名古屋市工・瑞穂は旭野に52―0で敗れた。(臼井昭仁)