ワールドシリーズで鉄腕を振るった山本。そのタフネスに驚いたのは相手チームだけではなかった(C)Getty Images …

ワールドシリーズで鉄腕を振るった山本。そのタフネスに驚いたのは相手チームだけではなかった(C)Getty Images
球界を騒然とさせる連投だった。今秋に開催されたブルージェイズとのワールドシリーズで快投を続けた山本由伸(ドジャース)のそれだ。
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第2戦に先発して105球を投げ、完投勝利を挙げていた山本は、第6戦でも6回(96球)を投げて1失点と好投。そして迎えた第7戦は志願してブルペン入りを果たすと、「迷いというか、そういった想いがあった」とこぼしながらも、9回一死の局面で登板。超異例の中0日のマウンドだったが、2回3/2を投げ無失点と強打のブルージェイズ打線をねじ伏せ、同シリーズ3勝目をマーク。ドジャースの連覇を呼び込んだ。
大谷翔平が「世界一の投手」と称えた快投。そのタフな投球は中継ぎの難しさを知る同僚の目にも「ありえない光景」として映っていた。
現地時間11月14日にMLBの公式ネットラジオ局『MLB Network Radio』に出演したドジャースのエバン・フィリップスは、山本が続けた連投について「誰も想像していなかった」と回想している。
今年6月にトミージョン手術を執行し、戦線からは離脱していたフィリップス。それでもチームに帯同してブルペンから戦況を見守っていたという31歳は、「あの第7戦でヤマがブルペンに降りてきた時、僕らは誰も本気だとは思っていなかった」と正直な胸の内を明かしている。
「でも、次から次へと色んなことが起こった。それで彼が自分の投球に向けたルーティーンをこなし始めると、ベンチからの電話が鳴って、呼び出しがかかったんだ。その瞬間は、全員が『まさか、本気で行くのか』っていう感じだったよ。皆がただ信じられない思いで見ていたね。でも、ヤマはマウンドに出ていき、まるで前夜(第6戦)に何もなかったかのように、いつもの支配的な投球をしたんだ」
MLBキャリア7年を誇るフィリップスは、ドジャースでは守護神も任されてきた。その過程で連投の難しさ、そしてリリーバーとしてマウンドに向かうメンタルの複雑さを学んだ。だからこそ、抜擢に応えた山本のパフォーマンスは「信じられなかった」。
「本当に驚くべき内容だった。そして、彼が最も自己犠牲的なチームメイトだと改めて思わされた。チームで誰よりも一生懸命に働き、非常に献身的なんだ。メジャーリーグに信じられないほど上手く適応したと思うし、彼がドジャースの一員であることは、僕らにとってこの上なく幸運なことだと思う」
伝説となった山本の“中0日投球”。それは、卓越した技術力もさることながら、チームメイトが舌を巻くほどの本人の献身性によって成り立っていた。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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